調剤薬局の事業承継や薬局M&Aを考えた時に、子どもの後を継がせたいと考えるケースも少なくありません。 確かに子どもに後を継いでもらうことができれば、後継者問題で悩むこともなくなるので一安心できます。 しかし、子どもに後を継いでもらうためには、いつか注意しなければいけない点があります。 そこで今回は、調剤薬局の事業承継を円滑に進めるためのポイントや子どもへ事業承継する際に知っておきたいリスクなどについてご紹介しましょう。 子どもに後を継いでもらおうと考えている方はぜひ目を通してみてください。

■薬局を存続させるためには円滑な事業承継を行おう

調剤薬局のM&Aや事業承継は、薬局を存続するために行われます。 薬局のオーナーが高齢になり、オーナーとしての役割を継続することが難しくなった時に後継者がいれば良いのですが、そうでない場合は事業承継のハードルが非常に高くなってしまうのです。 そのため、廃業という選択を余儀なくされるケースも少なくありません。 事業承継のハードルが高くなっている背景には後継者不足という理由が挙げられます。 子どもがいれば子どもに後を継いでもらえば良いと考えるかもしれませんが、必ずしも子どもが後を継いでくれるとは限りません。 また、子ども以外に適当な後継者候補がいればその人に任せることも可能ですが、現オーナーが適当だと感じる後継者候補がいない可能性も考えられます。 薬局を存続させるためには子どももしくは適当な後継者候補にお願いをすることがもっとも理想的ですが、理想通りに行かないことも少なくないでしょう。 円滑な事業承継を行うためにはどうすべきなのか把握しておくことが重要です。

■事業承継は後継者によって3つの方法がある

現在経営している薬局を存続するためには、事業承継を行う必要が出てきます。 事業承継は、後継者によって3つの方法に分けることができます。 続いては、事業承継の3つの方法についてご紹介していきましょう。 1つ目は親族内承継です。 これは後継者として適当な親族がいれば親族を後継者候補とするもので、事業承継をする際に最も多い方法でもあります。 現オーナーの子どもが事業承継によって次期オーナーになる場合は、周囲からの認知もされやすくなります。 そのため、事業承継後に安定した地位を築きやすくなるでしょう。 また、資産の継承という側面から見てみると、相続という形にできるため節税効果も期待できます。 しかし、後継者候補となる親族に後を継ぐ意思がなかったり、経営資質が乏しかったりする可能性もあるため、早めに継承の意思を伝えることが重要です。 子どもを含む親族に事業承継する親族内継承を考えているのであれば、しっかりと理解を得られるように話し合うことでお互いに納得できるでしょう。 2つ目は親族外承継です。 親族外承継とは、薬局で働いている社員の中から後継者を選定して承継するという方法になります。 親族外承継をする場合は、役員などの経営スタッフもしくは管理職を務めている人物の中から選定するケースが多くなっています。 これまで一緒に働いてきた人物なので、人柄などもよく分かっているため、スムーズな承継が可能になる方法でもあります。 親族外承継をする際のポイントは、後継者となる人物を選定するタイミングや債務保証、担保設定、株式の譲渡などを含む資産整理となります。 社員を後継者にする場合、債務保証能力が不足していることが理由で後継者になれないケースも多いので理解しておくようにしましょう。 親族外承継では、社外から後継者を登用するケースもあります。 そのような場合は、既に勤務している社員や菅家者の理解を得ることが重要になります。 周囲の理解がなければ、優秀な後継者でも能力を発揮できない可能性があるためです。 親族内承継や親族外承継で後継者を見つけることができない場合は、薬局M&Aを活用した事業承継を行います。 薬局M&Aは、企業同士の統合によって行われるもので、後継者不足問題が深刻になっている今、最も注目を集めている方法です。 以前は、マイナスなイメージを持たれることが多かったM&Aですが、経済産業省や中小企業庁、都道府県自治体が産業の活性化などを目的としたM&Aを推進するようになったことから、そのようなイメージはなくなってきました。 また、M&Aの仲介を行う会社も増えてきたことから、事業承継の可能性を広げる方法として日の目を浴びるようになってきたのです。

■親族内承継はどのような流れで行われるのか

事業承継の中で最も多く選ばれる方法は、子どもを後継者とする親族内承継です。 続いて、親族内承継がどのような流れで行われるのかご紹介していきましょう。 ・後継者候補を選んで育成する 親族内承継を行う場合は、まず後継者候補を選んで育成するところから始まります。 多くの場合が現オーナーの子どもなので、高校もしくは大学を卒業後、経営セミナーなどに参加させるなどして経営者として必要な知識を身に付けるためのサポートをします。 実際に経営者としての仕事を見てもらいながら、少しずつ実務経験を積ませるという方法を取るケースもあるので、どのような方法が理想的なのか子どもとよく相談しましょう。 ・株式を移転するための準備をする 株式会社の場合は、後継者が株式を取得して経営権を把握できるようにすることも重要です。 株式を移転する方法には、相続、生前贈与、売買の3つの方法があるのでどれにするか選びましょう。 ・遺言を残すもしくは生前贈与する 親族内承継をする場合は、遺言を残すことが重要なポイントになります。 遺言を残しておくことで、オーナーが保有していた資産や株式を後継者に残すことができます。 遺言を残すのではなく生前贈与をする場合は、贈与契約書を作成する必要があるので忘れずに作成するようにしましょう。 ・保証や担保の交代をする 現オーナーが借り入れについて個人保証をしている場合や個人資産を担保に入れている場合は、金融機関との交渉によって保証や担保の交代をする必要があります。 後継者と交代してもらわなければ後々問題になってしまう可能性もあるので要注意です。

■子どもへの事業承継をする際に考えられるリスクやメリットを知っておこう

薬局のオーナーが事業承継を考えた時に、可能であれば子どもに後と継いでもらいたいと考えるケースが多くなっています。 子どもに承継をする親族内承継は、事業承継の中でも最も利用される方法なので、一般的にも事業承継は子どもへの承継だと捉えられることが多いでしょう。 しかし、親族内承継ならではのリスクやメリットもあるので、どのようなリスクやメリットがあるのか知っておくことが重要になります。 ・親族内承継は時間がかかってしまう 親族内承継は、かなり時間がかかってしまいます。 後継者となる子どもに了承をもらうだけではなく、後継者として育成する必要もあるのです。 経営者としての感覚や能力は、少し勉強したからといって身に付くものではありません。 長い年月をかけて経営者としての資質を育てていかなければいけないケースがほとんどです。 また、薬局で勤務しているスタッフや取引先の会社に周知し、受け入れてもらうことも事業承継を成功させるために必要なことになります。 子ども以外の相続人がいる場合は、その調整もしなければいけません。 このように子どもへの事業承継をする場合はやらなければいけないことがたくさんあります。 そのため、親族内承継を検討しているのであれば、10年程度の期間を目安に準備を進めておいた方が良いでしょう。 今は元気でもゆっくりしていると時間がなくなってしまう可能性もあります。 ・遺産トラブルが発生する可能性がある 親族内承継を行う中で最も注意しなければいけないのは遺産トラブルです。 親族内承継は、生前贈与や相続という形になります。 具体的には、遺言や生前贈与によって、後継者となる人物に事業の資産や株式を集中させるという方法になります。 しかしその方法では、他の相続人との間に大きな差が生まれてしまい、不公平になってしまうのです。 不公平だという声が上がると、後継者に対して遺留分減殺請求を行う可能性が出てきます。 遺留分は、兄弟姉妹以外の法定相続人に最低限認められている遺産相続分のことです。 遺言や生前贈与で遺留分が侵害されてしまった場合は、返還を請求することができるのです。 親族内承継ではこのようなトラブルが発生してしまう可能性もゼロではありません。 もしも遺留分減殺請求が行われてしまうと、事業用資産や株式を後継者以外の相続人が承継してしまい、経営がスムーズにいかなくなるというリスクも考えられます。 ・後継者が見つからない可能性がある 親族内承継で問題となるのは、後継者が見つからなかった場合です。 オーナーは子どもが後を継いでくれると思っていても、子どもにはその気がなかったというケースも少なくありません。 このような場合は子どもが後継者になってくれると信じているため、親族内承継以外の事業承継に必要な準備をしていない可能性もあります。 そうなってしまうと、もしも後継者になってくれなかった時に困ってしまうことになるので、後継者になってくれるかどうかは早めに確認しておきましょう。 ・個人保証を外せないことがある 薬局のオーナーは、薬局を購入する時などに借り入れをしている場合があります。 この借り入れは個人保証をしているので、自分自身が持つ個人資産を担保に入れているケースも多くなっています。 そのため、事業承継をするのであれば、個人保証や担保を外してもらわなければいけません。 金融機関が了承しなければいけないのですが、金融機関は現オーナーを信頼してお金を貸しているため、いくらその子どもであっても実績がないと保証人の変更を認めてもらえない可能性もあります。 それだけではなく、子ども自身が担保として提供できる資産を保有していないケースもあり、個人保証や担保の交代ができない可能性も考えられます。 ・親族内承継にはメリットもある 親族内承継には前述したように時間がかかってしまうリスクがありますが、メリットももちろんあります。 親族内承継にはどのようなメリットがあるかご紹介しましょう。 1つ目のメリットは、従業員や取引先に受け入れてもらいやすいということです。 事業承継を成功させるためには、従業員や取引先に受け入れてもらうことも重要なポイントになるので、現オーナーの子どもが後継者であれば安心してもらえる可能性が高くなります。 2つ目のメリットは、早い段階から事業承継ができるということです。 子どもを後継者にすることが早い段階で決まっている場合は、それもメリットになります。 なぜかというと、子どもが後継者になるという意思を持っていれば、若いうちから社内の体制や経営方針などを把握するために一緒に働けるからです。 3つ目のメリットは、現オーナーが安心できるということです。 後継者が自分の子どもであれば、安心して任せられるでしょう。 また、子どもが後を継いでくれることに喜びを感じる人も少なくありません。

■調剤薬局の事業承継で悩んだら…アテックへ相談を!

調剤薬局を事業承継して子どもに継がせたいと考えるオーナーは少なくありません。 しかし、子どもが必ずしも後継者になってくれるわけではないので、親族外承継や薬局M&Aを活用した承継も視野に入れる必要があります。 薬局M&Aを活用した承継を検討しているのであれば、調剤薬局M&Aを全力でサポートしているアテックのサービスがおすすめです。 アテックでは、株式譲渡・事業譲渡・薬局経営代行という3つの柱を軸に、調剤薬局M&Aを行っています。 株式譲渡や事業譲渡にはデメリットもありますが、そのデメリットを改善したものが薬局経営代行で医薬品の在庫だけを譲渡するという方法になります。 そして、営業権や設備などは元のオーナーが所有するという斬新な調剤薬局M&Aなのです。 また、アテックでは譲渡する側の要望を大切にしたM&Aを行っているという魅力もあります。 これを実現しているのがアテックが手掛けている調剤薬局M&Aのマッチングサイトであるファーママーケットです。 ファーママーケットは、譲渡したい方と譲受したい方のマッチングを行い、後継者不足の解消などを目指しています。 もしも調剤薬局の事業承継で悩んでいて、調剤薬局M&Aを活用したいのであれば、ぜひアテックが提供するファーママーケットを利用してみてください。 これまでとは異なる視点で見ることが出来るため、事業承継成功の近道を歩めるでしょう。