個人間での調剤薬局M&A・事業継承に必要な手続きと注意点

M&Aと聞くと企業間、もしくは個人と企業間で行われるイメージがありますが、実は独立を考える中堅薬剤師を中心に個人同士での調剤薬局M&A・事業継承も増えているのです。

調剤薬局M&A・事業継承を行うためには手続きが必要ですが、どのような手続きが必要なのでしょうか?

手続きではトラブルも少なくないので、個人間での調剤薬局M&A・事業継承の注意点と一緒に必要な手続きについてご紹介します。

調剤薬局M&A・事業継承の流れについて

まずはどのような流れでM&Aや事業継承が行われるのか、個人間の場合での流れをご紹介しましょう。

・顔合わせや譲渡条件の調整

譲渡先の選定が終わったら、代表者との顔合わせとなります。

初対面なら譲り受けたい理由や薬局に対する今後のビジョンなどを聞き、逆に譲渡するオーナーは沿革や医療機関との関係など、売買のアピールポイントなど聞かれたことに答えましょう。

顔見知りの個人に譲渡する場合はそのまま価格など譲渡の条件の交渉に移行するかもしれません。

専門家などを通す場合はトラブルを回避する目的で個人間ではなく、専門家が交渉を行いますが、個人間の場合は自分達での交渉になるケースが多いので注意しましょう。

・基本合意書の作成

お互いが納得できる譲渡価格が決まれば基本合意書を作成します。

これは譲渡価格や譲渡財産の範囲・内容、従業員の引きうけ、薬品在庫の譲渡有無など、双方が了承している内容を文章化し、合意を交わすものです。

この時点で契約書の締結ではないので注意しましょう。

・薬局の鑑査

基本合意が済んだら買い手が対象の薬局の鑑査を行います。

現状の運営状況、設備、負債などの確認が行われます。

・契約書の締結と通達

薬局鑑査の結果から、合意書の内容や条件、事項の追加などをして契約内容を調整すれば、契約書の締結です。

契約が決まれば医療機関や従業員などに通達しましょう。

・引き渡し

契約書の締結と同じタイミングで実施計画書を作成し、譲渡日前の引き継ぎや当日に行うことのスケジュールを調整してください。

そのスケジュールに合わせて、譲渡日翌日から営業ができるように業務の移行を行いましょう。

薬局の運営に必要な契約とは?

薬局を経営するにあたり、様々な契約を交わします。

M&Aではその契約を引き継ぐことになるので、個人間で譲渡する前に薬局運営に必要な基本的な契約を確認していきましょう。

【基本的な契約】

・土地建物賃貸借契約

建物を貸し出すことで賃料を受け取れる契約で、身近なものではアパートやオフィスの貸し出しで活用される形態です。

・従業員雇用契約

従業員の雇用に関する契約で、当事者同士の合意で成立します。

民法では契約が成立すれば、特別な事情がない限り当事者は契約で発生する義務を履行しなければなりません。

・リース契約

消費者に変わってリース会社が商品を課して、その商品を貸し出す契約です。

・保守契約

レセコンや電子薬歴等機器が故障した時に保証する契約です。

・金銭消費貸借契約(借入)

金融機関などから融資を受けた時に交わす借入契約です。

・警備保障契約

泥棒や強盗、火災、停電などのトラブルの保障する契約です。

・卸基本契約

薬局と医薬品卸売業者と取引に関する契約です。

・保険契約

生命保険、火災保険、薬剤師賠償保険などの保険契約です。

・電話、インターネットなどの契約

薬局で使用する電話やインターネットの契約です。

・顧問契約

特定の業務の上で、高度な専門知識や特殊な知識を持つ専門家と交わす契約です。

【特殊な契約】

・ライセンス契約

知的財産の使用を認める契約のことで、使用許諾契約とも呼ばれています。

・フランチャイズ契約

フランチャイズに加盟した人や法人は、フランチャイズの本部から店舗の看板やサービス、商品を使用する権利や、経営ノウハウの指導を受けたりする権利をもらい、対価として保証金やロイヤリティなどを本部に支払うシステムの契約です。

・ファクタリング契約

調剤報酬の債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、回収できない調剤報酬を回収することができる契約です。

・コンサル契約

経営や戦略など薬局の抱える課題を解決することを目的に、専門家がコンサルティングしてくれる契約です。

個人間での調剤薬局M&A・事業継承では契約はどう引き継がれるか

薬局運営に関する基本的な契約や特殊な契約をご紹介しましたが、調剤薬局M&A・事業継承をすると上記の契約の引き継ぎがどうなるのか気になることでしょう。

これは買い手の主体が法人なのか、個人事業主なのかで変わってきます。

法人の場合、基本的に必要な契約の全てを引き継ぐことができますが、個人事業主が買収する場合は、引き継ぎ契約ができない場合があります。

法人は社会的信用度が高いので問題なく引き継げますが、個人事業主は法人よりも信頼度が劣ってしまうでしょう。

契約時に保証人を求めらることが多く、最悪の場合は引き継ぎ契約ができないので、注意してください。

譲渡方法にも注意

調剤薬局M&A・事業継承は事業譲渡と株式譲渡の2つがあり、譲渡の条件に違いがあります。

確認しておきたいポイントも異なるので、それぞれの譲渡方法を確認していきましょう。

・事業譲渡

薬局に関連する事業の名義変更を行い、継承する譲渡方法です。

薬局事業とは関係ない契約は売り手側が処理する必要があります。

この方法でM&Aを進める場合、買い手側は薬局事業での契約をしっかり確認し、売り手側は契約に何があるか確認してください。

また、契約を提示して上で、引き継ぎができない契約はないか双方で明らかにしましょう。

・株式譲渡

株式譲渡ではほとんどの契約を引き継いでもらうことが可能ですが、契約者が断る場合もあります。

手続きは事業譲渡に比べて簡易的なものですが、買い手はファクタリングや家賃、保守料などの負債なども引き継がれるリスクがあるので理解しておきましょう。

ここでも薬局運営に関わる契約を把握し、引き継げるかどうかを明確にさせ、会社で締結している契約も確認してください。

個人間での調剤薬局M&A・事業継承はアテックを頼ろう

個人間での調剤薬局M&A・事業継承は知り合い同士での買収や、知人の紹介で買収契約を結ぶ場合がほとんどでしょう。

仲が良い関係だからこそ本音が言えず、また証拠も確認しづらい部分があり、後から問題になってしまうことがあります。

中には相手にM&Aの知識がないため、買収後にトラブルが発生することも珍しくありません。

双方に利益のある調剤薬局M&A・事業継承を行うためには、知識を持って十分に交渉していくことが大切です。

しかし、薬局運営では様々な契約があり、手続きも複雑なので専門家からサポートを受けながら進めた方が良いでしょう。

薬局専門にM&Aをサポートしている「アテック」は、薬局の現場や経営を熟知したスタッフが薬局譲渡の手助けをしてくれます。

トラブルになりやすい譲渡条件の調整も専門家が交渉してくれるので、お互いが納得できる買収を実現することが可能です。

まだ譲渡先が見つからない場合は最適な譲渡プランを策定した上で、薬局オーナーの希望に会う譲渡先を紹介してもらえるので安心です。

他にも薬局を譲渡したいオーナーと買収したい企業やオーナーのマッチングを行う「ファーママーケット」を運営しています。

どのような案件があるのか、またどんな人が買収を求めているのかチェックできるので、調剤薬局M&A・事業継承を検討する際に参考として覗いてみると良いでしょう。

個人間での調剤薬局M&A・事業継承をお考えの際は、アテックで専門的なアドバイスを聞き、トラブルなく買収を成功させてください。