調剤薬局は、経営者の高齢化や後継者不足などによって、経営の継続が危うくなっているケースが増えています。それらの問題を解決するために、事業承継が行われます。事業承継はいくつかのポイントを押さえておかなければ、上手くいかない可能性があるでしょう。 今回は、そんな事業承継を行う際に知っておきたいことについてご紹介します。調剤薬局を譲りたいと考えている経営者の方やこれから調剤薬局の経営者になりたいと考えている方は、参考にしてみてください。

■調剤薬局の事業承継はどのタイミングで準備をすべきなのか

まずは、事業承継をどのタイミングで始めるべきなのかということを知っておいた方が良いでしょう。人によって事業承継を行うタイミングはまちまちですが、準備を始めた方が良いタイミングはあります。それはどのようなタイミングなのでしょうか? ・リタイアを考え始める50代半ば 60歳を目途にリタイアを検討する人は多いでしょう。その場合、後継者探しを行う猶予が必要になるので、50代半ばから準備を始めた方はスムーズに進みやすくなります。後継者探しだけではなく、後継者の育成や引き継ぎ業務などもあるためです。 それらをしっかりと準備するためにも、リタイアの5年くらい前から計画を立てるようにしましょう。元気なうちから準備ができていれば、あなた自身の想いを受け継いでくれる後継者に出会える可能性も高まるので、少しでも早い段階で準備を始めてみてはいかがでしょうか? ・経営が苦しくなる前に決断して準備を始める 調剤薬局の中には、ぎりぎりの利益で経営しているところもあります。そのような状態では、いつ経営が困難になるか分かりません。経営状態が今以上に悪くなってしまうと、後継者候補も見つかりにくくなってしまうため、経営が苦しくなる前に決断して準備を始めることも重要なポイントです。 経営が苦しいということは資金調達も難しいということを表しています。そのような調剤薬局を継ぎたいと思う人はほぼいないため、少しでも経営が安定している段階で事業承継の準備を始めると良いでしょう。 経営が安定している調剤薬局の方が後継者の選択肢が広がりますし、事業承継の成功率も格段に高まります。事業承継をしないと廃業しなければいけないケースであれば、特に経営が安定している段階で事業承継を決め、準備をスタートさせた方が良いでしょう。

■事業承継はどのような流れで行われるのか

事業承継をスムーズに進めるためには、どのような流れで行われるのか知っておくことも重要です。続いては、事業承継の流れについてみていきましょう。 ・調剤薬局の現状を把握する まずは、調剤薬局の現状を知ることから始めます。どのような状況になっているのか、客観的な視点で見るためにも現状を把握するのはとても重要なポイントです。 調剤薬局の売上やキャッシュフロー、強み、弱み、売上予測、従業員、後継者候補、資産、負債などを分析していきましょう。きちんと分析できれば、客観的に状況を把握でき、後継者候補となる人に説明もしやすくなります。資料にまとめておけば、後継者が確認しやすいのでおすすめです。 ・後継者を決める 調剤薬局の現状を把握出来たら、後継者を決定します。可能であれば、親族や従業員のように理解のある人を後継者にするのが理想的です。近くに後継者候補がいない場合は、M&Aによる後継者探しも視野に入れるようにしましょう。 後継者候補には、なぜ後継者になってもらいたいのか、調剤薬局の現状はどうなっているのか、今後の売上予測、課題と解決策についてしっかりと伝えておきましょう。 ・事業承継計画書を作成する 後継者が決まったら、事業承継計画書を作成します。事業承継計画書は、事業承継を行うまでの準備や継承後の引き継ぎ、売上計画などをまとめた書類のことです。後継者の名前や基本方針、必要な業務、経営計画、現在の経営者がどのような立ち位置になるのか(引退するのか、役員になるのか)などが記載されています。 事業承継計画書の作り方が分からない場合は、中小企業庁のホームページで確認できるのでぜひ調べてみてください。事業承継に関する専門知識を持った人に相談するのも良いでしょう。 ・引き継ぎや教育を行う 事業承継計画書が完成したら、後継者への引き継ぎや教育を行います。急に経営者になれるわけではないので、きちんと経営者としての心構えややらなければいけないことを教えなければいけません。一人前の経営者として調剤薬局の経営を軌道に乗せるためにも、引き継ぎや教育はとても重要な意味を持っていると考えられます。 ・事業承継を実施する 引き継ぎや教育を行ったら、事業承継を実施する段階に入ります。事業承継を実施する日までに人的な承継物(調剤薬局の経営権やスタッフからの信頼、リーダーシップ、経営理念、社風、ノウハウ)は全て承継できている状態が理想的です。 ただし、承継できているからと言って不安を抱えていないわけではありません。そのため、アドバイザーや役員として元経営者が関わり、経営課題を共に解決していこうという姿勢を見せる必要もあります。なぜなら、後継者がその姿を見て心強いと感じ、安心して経営者としての第一歩を踏み出せるためです。

■事業承継のパターンとメリット・デメリット

事業承継には、大きく分けて3つのパターンがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。 ・親族に承継する 1つ目は、親族に承継する親族内承継です。親族内承継は、現在の経営者の子どもや娘婿などに経営者の席を譲るという方法です。 【メリット】 親族内承継のメリットには、周りから後継者としての理解をしてもらいやすい、所有と経営が分離しにくいといったものが挙げられます。現在の経営者から近しい身内が次期経営者になるため、調剤薬局の状況も把握しやすいですし、スタッフや取引先からの理解を得やすいというのは大きなメリットだと言えます。また、自社の株式も引き継いでもらえるので、調剤薬局の所有者と経営者が分離せずに済みます。 【デメリット】 デメリットには、親族内に後継者になる意思を持つ人や資質を持つ人がいない可能性がある、後継者とそれ以外の親族の間で遺産問題が起こるリスクが高まるといったものが挙げられます。身内が後継者になることが決まっている場合は資質を持っていない可能性がありますし、そもそも後継者になるという意思を持っている人がいない可能性もあるので、それは親族内承継の大きなデメリットになるでしょう。また、後継者とそれ以外の親族の間で遺産問題が起こるリスクが高まるというのもクリアしなければいけない課題の1つです。 ・従業員に承継する 2つ目は、従業員に承継するという方法です。役員に承継するケースが多く、会社内承継と呼ばれることもあります。続いては、従業員に承継するメリットとデメリットについてご紹介しましょう。 【メリット】 従業員に承継するメリットには、資質のある人材を選べる、会社のことを良く知っているのでスタッフや取引先からの理解が得られる、後継者教育にかかる時間を短縮できるといったものが挙げられます。調剤薬局の経営者としての資質がないと承継してもうまくいかない可能性があるため、資質のある人材を選べるというのは魅力的なメリットです。また、時間がかかってしまう後継者教育にかかる時間を短縮できるという点は、会社内承継ならではの魅力だと言えます。 【デメリット】 デメリットには、個人補償の債務負担を背負う必要がある、社内で利権争いが起こるリスクがある、資金力がない人が後継者になる場合があるといったものが挙げられます。この中でも個人補償の債務負担を背負う必要があるというのは、大きなデメリットに感じてしまう人が多いでしょう。しかし、後継者になるのであればそのような負担も背負う覚悟を持たなければいけません。 ・第三者に承継する 親族にも従業員にも承継が難しい場合は、M&Aを行って第三者に承継します。この方法を採用するケースも多いです。では、第三者に承継する場合のメリットとデメリットについて見ていきましょう。 【メリット】 第三者に承継するメリットには、事業承継だけではなく事業の拡大が期待できる、創業者利益を確保できる、廃業コストがかからないといったものが挙げられます。他の企業が承継するとこれまでにはいなかったような人材や持っていなかったノウハウを手に入れることができるため、新規事業の参入が容易になります。また、廃業にしてしまうと解雇にかかる補償などで大きな出費が発生しますが、それを避けられるという点も大きなメリットです。 そして、経営者はM&Aを行うことで創業者利益を確保できます。創業者利益は、株式を第三者に売却することによって得られる利益です。M&Aを行うと含み益のある株式を売却できるため、大きな利益を手にできます。 【デメリット】 デメリットには、思っていたような売却価格が付かない、交渉に時間がかかる、経営に一体性を持たせられない可能性があるといったものが挙げられます。調剤薬局のM&Aを行うケースは増えつつありますが、希望する条件に合う売却先は簡単に見つけられないでしょう。また、他の企業に承継された場合はこれまでの経営スタイルから大きく変わってしまう可能性もあるため、経営に一体性を持たせられないリスクがあることも覚えておく必要があります。

■調剤薬局の事業承継について悩んでいるならアテックへご相談を

調剤薬局の事業承継を検討する時に、どのような方法を選ぶか迷ってしまう経営者は少なくありません。事業承継に関する専門的な知識を持っていなければ、どれが理想的な方法なのか選べずに時間が経ってしまう可能性もあるでしょう。そのような時には、アテックへの相談がおすすめです。 ・アテックの会社概要 アテックは、1991年に日本初の調剤薬局M&A専門の会社として創業しました。中立で公正な立場に立ち、調剤薬局の経営者が望む理想を実現できるようにサポートしています。老舗の会社なので、これまでの実績も確かなものです。 理想の後継者に出会えるように、大手チェーンはもちろんですが、独立志望の薬剤師にも出会いやすい環境を整えています。さらに、資金繰りをサポートするために大手金融機関の紹介も行っているのです。そのため、安心して新たな一歩を踏み出せるような仕組みを構築できていると考えられます。 これまでに多くの後継者と調剤薬局を結び付けてきたアテックは、調剤委薬局に関する様々なことを熟知しています。豊富な知識を持っているので、迅速に問題を解決へと導き、誰もが良かったと思える「ハッピー・リタイア」を実現することも夢ではありません。薬剤師が応援に入って承継を行うケースもあるので、安心感はかなり大きいです。 ・ファーママーケットとは? ファーママーケットは、アテックが運営している調剤薬局の経営者と独立を検討している薬剤師もしくは薬局の買収を検討している経営者を結び付けるマッチングサイトです。日本初の調剤薬局M&A専門の会社として創業したアテックは、これまでに多くの調剤薬局のM&Aをサポートしてきたという実績を持っています。その実績から得たノウハウを活かし、気軽に調剤薬局を譲渡したい人と買収したい人をマッチングできる仕組みを作りました。 ファーママーケットでは、売却希望の案件と購入希望の経営者を確認できます。どのような条件の調剤薬局なのかを購入希望者は確認できるため、希望に合う調剤薬局を見つけられます。独立を希望している薬剤師も多く掲載されているので、条件に合えばすぐに後継者が見つかる可能性は高いでしょう。 また、調剤薬局の後継者候補が見つからずにM&Aをしたいと考えている場合や独立をしたいけどどこで探せば良いか分からないという場合は、掲載希望の問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?ファーママーケットのホームページから掲載希望の問い合わせが可能となっています。 調剤薬局の事業承継を行う場合、準備を始めるタイミングや事業承継の流れ、メリットやデメリットなどについて知っておく必要があります。後継者不足で悩む経営者が多いため、正しい知識を持っているかという点は大きな差につながるでしょう。 もしも事業承継を行いたいけれどどうすればいいか分からないという場合は、アテックへの相談がおすすめです。ぜひアテックへの相談やファーママーケットへの掲載を前向きに検討してみてください。