これまで調剤薬局を経営してきたものの、閉局・廃業を考えている方はいませんか?おそらく、この記事を読んでいる方の多くは閉局・廃業をお考えかと思います。調剤薬局を閉局・廃業させるためには、様々な手続きを行わなくてはならず、時間がかかってしまうものです。 そこで今回は、調剤薬局の閉局・廃業をお考えの方向けに、どのような手続きや準備が必要となってくるのか、閉局・廃業を行うなら薬局M&Aを行った方が良い理由などをご紹介していきます。ぜひ今回の内容を参考にしながら、閉局・廃業についてもう一度考えてみてください。

■調剤薬局の閉局・廃業を考えた時に行うべき準備

経営が難しくなった、後継者の不在など様々な理由で調剤薬局の閉局・廃業を考えている方も多いでしょう。ただ、調剤薬局の閉局・廃業は開業することと同じくらい大変な作業になりやすいです。 具体的にどのような準備を進めていけば良いのでしょうか?まずは調剤薬局の閉局・廃業時に行うべき準備と流れについて解説していきます。 【不動産】 閉局・廃業する場合は不動産契約に関する手続きを進めていかなくてはなりません。物件が賃貸だった場合は閉局・廃業する3ヶ月前に申し出ておく必要があります。ただ、3ヶ月前というのはあくまでも目安の時期であり、閉局・廃業が決まった時点で早めに不動産会社もしくは貸主へ連絡するようにしましょう。 【届出など書類の準備】 調剤薬局を閉局・廃業する時は、開業した時と同様に多くの手続きと書類の提出を行う必要があります。基本的に提出が必要となってくるのは、社会保険事務局・保健所・保健センターや市区町村の地域保健課・労働基準監督署・市役所または区役所です。 ・社会保険事務局 社会保険事務局に提出する必要があるのは、保険薬局廃止届や薬剤師変更届(管理薬剤師変更届)です。 保険薬局廃止届はその名の通り、薬局を廃止した旨を報告するための書類になります。薬剤師変更届では保健所にも提出しなくてはならないため、あらかじめ2つ用意しておいた方が良いでしょう。 ・保健所 保健所に提出するのは薬局廃止届と薬剤師変更届になります。また、麻薬小売業者廃止届や結核予防法による指定薬局辞退届、被爆者一般疾病医療機関辞退届なども提出する必要があります。 免許失効による所有麻薬届は、麻薬を所持していない場合にも書類に「なし」と記入して提出しなくてはならないため、忘れずに提出するようにしてください。 ・保健センターや市区町村の地域保健課 保健センターや市区町村の地域保健課に提出するのは、特定疾患治療研究委託契約辞退届と先天性血液凝固因子障害等委託契約辞退届の2種類です。この2つは特定の疾患グループにおいて、研究委託契約を辞退するために提出しなくてはならない書類となっています。 ・労働基準監督署 労働基準監督署に提出しなくてはならない書類は、労災保険薬局の指定廃止届です。調剤薬局が指定医療機関として存続できなくなった場合、都道府県労働局長に届け出なくてはなりません。 ・市役所または区役所 調剤薬局がある住所の市役所・区役所に提出する必要があるのは、生活保護法の指定薬局廃止届です。 こちらは調剤薬局を閉局・廃業してから10日以内に市役所または区役所へ提出しなくてはなりません。必ず10日以内に出せるよう、あらかじめ準備しておくことが大切です。 【従業員】 調剤薬局を閉局・廃業するということは、自分だけでなく働いている従業員全員の仕事がなくなることを意味しています。複数の店舗を経営しており、その店舗で人手が不足していれば入ってもらうことはできますが、そうでなければ事実上の解雇となるでしょう。 このような場合は従業員も混乱してしまうので、従業員へ閉局・廃業を伝える前に社労士へ相談しておきましょう。また、可能な限り従業員の再就職先となる場所を見つけておくと話がスムーズにまとまりやすいです。 【医薬品】 医薬品はそのまま残しておくわけにもいかないため、売却していかなくてはなりません。閉局・廃業する数ヶ月前から長期間保管庫に放置されているような医薬品を洗い出し、返品の依頼や他店に回すなど、少しずつ在庫を圧縮していきます。 1ヶ月前になったら在庫をよく出るものだけに絞っておきましょう。閉局した時点で早めに在庫を売却していきます。なお、医薬品をそのまま捨てることはできないので注意してください。 在庫の医薬品は専門業者に買い取ってもらうことができます。期限切れの医薬品は処分という形になってしまいますが、開封済みや1錠単位の医薬品、漢方薬なども買い取ってもらえる可能性が高いため、買い取ってもらえるかどうか問い合わせてみましょう。 【設備・備品】 調剤薬局で使用している設備・備品の中で、リース契約を行っているものをまずは確認していきましょう。リース契約の場合、途中解約をすると残りの期間分の支払いを一括で請求されてしまう可能性があります。 必ず契約を確認しておき、対応を考えましょう。消耗品が閉局・廃業までに使い切れない場合は、他店へ売却、もしくは譲渡するのもおすすめです。 【患者】 薬局を利用していた患者にも閉局・廃業する旨は告知しておく必要がありますが、あまりにも早いと客足が遠のいてしまう恐れがあります。そのため、まずは長期処方を行っている方に対してDMを準備しておき、なるべく早めに来店していただくようにしましょう。 また、在宅患者や施設に医薬品を届けている場合は、早めに他の薬局へ引き継ぎを行います。閉店前は最後の来客になる方から順次告知するようにしましょう。 【医療機関への挨拶】 閉局・廃業する場合、近隣の医療機関へ挨拶することも大切です。医師と仲が良ければ早めに伝えておいた方が良いでしょう。 それほど親しくなくても閉局する旨を伝えに挨拶へ伺っておきます。なるべく近隣薬局への挨拶回りも検討しておきましょう。 閉局・廃業するまでに様々な手続きや準備を行う必要があるため、数ヶ月前から何をどう進めておくべきかリスト化しておくと便利です。また、患者や医療機関への挨拶はデリケートな問題でもあるため、相手からの信頼を裏切らないよう誠意に対応するようにしましょう。

■閉局・廃業よりもM&Aを選択するメリット

調剤薬局の閉局・廃業は、実行するまでに様々な手続きや準備を進めていかなければならず、非常に大変です。その上、清算後に利益が発生しても法人税がかかるので、手元に残る資金はわずかというケースは珍しくありません。 デメリットが多い閉局・廃業よりも調剤薬局が存続するM&Aの方がおすすめです。調剤薬局オーナーがM&Aを選ぶメリットをご紹介しましょう。 ・閉局・廃業にお金をかけなくて済む 調剤薬局を閉局・廃業には、設備や医薬品の廃棄やテナントの原状回復、税金など様々な部分でコストをかかります。しかし、M&Aは自分の調剤薬局を他者に売る手法となるため、廃業にお金をかける必要がなくなります。 M&Aの場合、知識がないために仲介会社やアドバイザーなど専門家にサポートを依頼し、進めていくケースが多いです。専門家からサポートでは、成功報酬などの支払いが発生します。 コストはかかりますが、閉局・廃業にかかる費用や手元に残る資金と比較しても得となれば、M&Aの方が良いと言えます。 ・調剤薬局オーナーは利益を得られる 調剤薬局を売却するため、オーナーは売却益を得られます。売却額は調剤薬局の企業価値から算定され、また交渉次第では金額を上げることも可能なので、閉局・廃業よりも多くの資金を手元に残せる可能性が高いです。 また、M&Aでは負債も含めて譲渡されます。さらに、銀行から借入した際にオーナー個人が連帯保証人になっているケースがほとんどですが、個人保証の解除も可能です。 経営者が変われば、閉局・廃業の清算後の利益にかかる法人税についても心配は不要です。つまり、調剤薬局のオーナーを引退しても負債を残す心配がなく、まとまった資金を手に入れられます。 ・後継者問題を解決できる 後継者がいないことで閉局・廃業となる場合もM&Aは有効な手段です。M&Aで調剤薬局を別の経営者に渡すことで、後継者がいない人も安心して引退できます。 調剤薬局を含め、高齢化社会の日本では60〜70代の経営者が増加傾向にあり、引き継ぐ親族や従業員がいないというケースは多いです。特に個人で調剤薬局を経営するオーナーにとって、後継者がいないことは深刻な問題となっています。経営自体は軌道に乗っているのであれば、閉局・廃業よりもM&Aで新しい後継者に譲り、存続した方が良いと言えます。 ・従業員や取引先などに迷惑をかけずに済む 閉局・廃業となると、従業員は解雇となり、取引先や仕入れ先、処方箋を出す医師などとの関係はなくなります。また、今まで利用していた顧客は別の調剤薬局に切り替えなければなりません。 調剤薬局をたたむということは、オーナー自身だけではなく、仕事に関わる全ての人に少なからず迷惑をかけてしまいます。しかし、M&Aなら引き続き従業員を雇ってもらうことができ、取引先などの関係や顧客の利用は今まで通り継続されます。オーナー自身は周りに迷惑をかけずに引退ができるため、一石二鳥と言えるでしょう。 ・M&Aで調剤薬局がより成長する可能性がある M&Aでは買収された側のオーナーが引退するイメージがありますが、中には引退せずに経営をそのまま続けられるケースもあります。買い手企業の傘下に入ることで支援を得られ、調剤薬局の経営の建て直しやさらなる成長につながる可能性があるでしょう。 また、調剤薬局以外にも複数の事業を手掛けている場合は、特定の事業を売却する選択肢もあります。コア事業でなければ調剤薬局業を手放すのも良いですし、不採算事業やサブコア事業を売って調剤薬局業に集中し、経営再建を目指すのも良いでしょう。 このように、M&Aには閉局・廃業よりも様々なメリットがあります。中でも大切にしてきた調剤薬局を閉じる必要がなくなる点は、オーナーにとって最大のメリットです。

■閉局・廃業寸前の調剤薬局のM&A成功事例

M&Aを実行した調剤薬局の中には、閉局・廃業の危機に追い込まれていたオーナーも多くいます。ここで閉局・廃業寸前の調剤薬局のM&A成功事例をご紹介しましょう。 首都圏の調剤薬局を経営するオーナーは、常勤の管理薬剤師が急病で入院となり、臨時薬剤師だけではシフトの穴をカバーできず、営業継続が難しい状況でした。元々、オーナー自身は薬剤師ではなかったためシフトに入れず、常勤の薬剤師を確保できなかったため、閉局の危機に瀕していたのです。 そこでM&A仲介会社に相談したところ、独立希望の薬剤師を紹介されます。オーナーは薬剤師の誠実な態度から譲っても良いと考え、また薬剤師は自分の希望に合った案件と喜び、円満な形で基本合意となりました。その後、事業譲渡契約もスムーズに行われ、調剤薬局の閉局は回避されました。

■M&Aを考えているならアテックに相談

M&Aは調剤薬局を買ってくれるオーナーや会社を探さなければならず、また交渉や契約の手続きなど様々なプロセスを踏んでいきます。知識がないとトラブルにつながる可能性があったり、理想の譲渡先が見つからなかったりする場合が多いので、M&Aは仲介会社のアテックへの相談がおすすめです。 アテックは日本で初めての薬局を専門としたM&A仲介会社となっています。業界や調剤薬局の現場を把握するスタッフが、売り手と買い手の両方が満足できるM&Aの実現を目指しサポートします。 自分の調剤薬局はどれくらいで売れるのか、そもそも閉局・廃業寸前の調剤薬局は売れるのかなど、M&Aに関する疑問や不安は多いでしょう。そんな時こそ専門家のサポートがあれば、安心してM&Aを検討できます。アテックは、オーナーに渡る手取りをできる限り最大限になるように努力しているので、閉局・廃業寸前でも理想な形でM&Aを成功させられます。 調剤薬局を閉局・廃業する選択が必ずしも問題解決に向かうとは限らず、また閉じるのも一苦労します。それならM&Aで調剤薬局や事業を他者に譲った方が、自分や経営に関わる全ての人のためなる可能性は高いです。 アテックは調剤薬局業界に特化するM&A仲介会社なので、オーナーに寄り添ったサポート・アドバイスが可能です。閉局・廃業の危機に悩みM&Aを考えている方は、アテックへ相談してみてください。