調剤薬局の後継者人材を育てる方法とは?

経営者にとって後継者問題は深刻な悩みです。

もし後継者が見つかったとしても、すぐに事業承継できるわけではありません。

経営方針や理念を引き継ぎ、組織を牽引していく人材に育てる必要があります。

調剤薬局も一般的な企業と変わらず、後継者の育成が求められます。

しかし、どのように育てていけばいいのか分からないと悩む方は少なくないでしょう。

そもそも後継者が見つかっていないという悩みも多いはずです。

今回は調剤薬局の後継者人材を探す方法や育てる方法についてご紹介していきましょう。

後継者を選ぶ方法

後継者を選ぶ方法は親族内承継、親族外承継、M&Aの3つが考えられます。

以前は親族内承継が主流でしたが、近年は親族外やM&Aにより事業を引き継いでいる企業や薬局が増えてきました。

それぞれメリットとデメリットがあるので、確認していきましょう。

・親族内承継

親族内継承のメリットは、親族外に比べると経営方針など既存の経営スタイルをそのまま引き継いでもらいやすいことです。

親族の中から選べるので、準備期間を確保しやすいこともメリットでしょう。

早い段階から後継者人材として育成できます。

ただ、親族だからと必ずしも素質や意欲を持っているわけではありません。

経営の素質や意欲が欠けていれば安心できない店がデメリットでしょう。

また、調剤薬局の経営が不況な場合、経験が浅いので運営体制が立て直せないのではという不安も生まれます。

・親族外継承

身内に経営の素質や意欲を持つ人物が見つからない場合は、従業員など親族以外から探し出す手段もあります。

素質を持つ人物の中から、信頼できる人物を選定できる点が大きなメリットです。

その一方、デメリットは株式などを取得できる経済力を持つとは限らないことでしょう。

株式を保有する株主は会社や調剤薬局の方向性を決定する権利を持つので、経営者は3分の2以上を所有することが望ましいです。

しかし、選んだ人材が必ずしも、それだけの株式を保有できる経済力を持つとは限らず、経営に置いて不利な面が生じる可能性があります。

・M&A

身内や従業員から見つからない場合はM&Aにより、第三者に事業譲渡する手段も有効です。

自分の考えている経営方針や希望条件に合った相手を選び、調剤薬局を売却できます。

後継者問題で悩んでいる人にとって最適な選び方とも言えます。

ただし、薬局を他人に譲渡することになるので、経営の一貫性を保てなくなります。

ある程度の希望は反映してもらえますが、基本的に新しい経営者の方針や方向性で運営されていくことを理解しましょう。

後継者人材を十分に育てていくためには、5年から10年は必要とされています。

年が上がるごとに体力などに限界を感じ、育成が行き渡らない場合があるでしょう。

スムーズな承継を実現させるためにも、上記の方法から早めに後継者人材を探すことをおすすめします。

後継者の見極め方と向いていない人の特徴

業界や経営に関する知識は育成により伸ばすことができます

しかし、経営者には経営知識だけではなく、それ以外の素質も問われます

適材適所の人材を確保するためにも、経営者を見極める方と向いていない人の特徴をしっかり把握しましょう。

【後継者人材の見極めポイント】

・承継に対する意思を持っている

まず重要なのが調剤薬局の承継に対して前向きな意思を持っているかどうかです。

やる気がない相手を選んでは、経営が傾いてしまう恐れがあります。

特に親族内は「身内だから」と極端な理由で引き継いでしまうケースが多いので注意しましょう。

・人的ネットワークを拡大していけるか

調剤薬局でも人脈が事業成功のポイントです。

周囲を惹きつけられるように人間的に魅力のある人材の方が、経営で上手くいく傾向があります。

・心と体の健康を保てる

経営者は多忙を極めるので、時には睡眠時間や休息を削ってまで仕事に集中しなければならない時もあります。

トップという立場なのでプレッシャーも感じるでしょう。

ハードワークやプレッシャーに耐えられるほどの、強靭な体力やメンタルを持ち、それを継続できる人材が好ましいです。

【調剤薬局の後継者人材に向いていない人材の特徴】

・コミュニケーション能力が不足している

調剤薬局は患者とコミュニケーションを取ることも大事であり、患者に対するケアの質の良さが売上アップに関わっていきます。

また、従業員や取引先ともコミュニケーションを交わすことも多いです。

コミュニケーション能力が不足していると意思疎通が困難なので、適切な経営は難しいでしょう。

・探究心を持っていない

経営が長く続くと売上の低下や従業員の育成などで壁に直面します。

良好な経営状況を築くためには、状況に合わせた戦略が求められるので、経営者がゴールと思っている人材は向いていません。

承継後も強い探究心で新しい戦略を考え、成功に導いていく力が必要です。

・責任感に欠けている

責任感は経営者として最も重要な要素です。

調剤薬局は従業員に対してはもちろん、患者の命と密接な関係にあるので責任は一層大きくなります。

健康を支える薬は処方を間違えると、病気を悪化させたり、最悪の場合は死を招いたりすることもあります。

健全な運営を実現するためにも、責任感に欠ける人材は相応しくありません。

後継者人材を育てる方法

後継者は、これから薬局を永続させていく必要があります。

長く存続させるためには、後継者人材の育成は切手も切れない存在です。

では、調剤薬局において、後継者人材を育てていくにはどのようにしたら良いのでしょうか?

・現場経験を積む

調剤薬局では、調剤業務・服薬指導・薬歴管理などを主に行います。

調剤業務は医療機関の処方箋を基に薬を調剤する業務で、服薬指導は薬の服用方法や薬の情報・安全性などを提供する業務です。

薬歴管理は患者の方の副作用歴や服用履歴を管理するものです。

また、これらの業務以外にも、近年では医師を同行して居宅の患者に対して調剤業務や身体的・精神的な自立支援も行っています。

こうした調剤業務における現場での経験は後継者人材を育てる上で必要不可欠です。

後継者と言うと、マネジメント業務や管理業務を任せて実務を深めていく必要があります。

しかし、現場を知らずにマネジメント業務や管理業務に携わるのは避けなければなりません。

それは、従業員同士の心理的な影響が関係しています。

例えば、後継者だからと言って若い従業員を優遇しているように見られてしまうケースがあるでしょう。

ですが、現場での経験をしっかり積みながら地道に努力している姿勢を見れば、従業員からの評価を定着させていけるのです。

・外部の刺激を受ける

外部の刺激を受けるというのは、現場の経験を積むのとは正反対に感じられるでしょう。

しかし、現場での経験を積むのと同時に重要なのが外部の刺激を受け、成長することなのです。

現場だけでいつまでも業務をこなすだけでは、調剤薬局経営者としての成長も限定的なものになってしまいます。

地元や業界の経営者団体やそれと同様の場に積極的に足を運んでおく必要があります。

経営者として仕事をしていく上で、調剤薬局全体の業務や体制、経営における考えを身に付けるのは大切なことです。

・後継体制の改革を行う

仕事をする上で、縦のつながりがある計画や業務は重要だと考えられています。

しかし、その他に後継者が中心となって行うプロジェクトを実施していくというのも取り入れたい方法です。

後継者がリーダシップを発揮するには、経営ビジョンの策定や事業戦略策定・業務改善などのプロジェクトを行うと良いでしょう。

教育体系や人事関連の内容でも、横のつながりを重視した取り組みをすると、そのプロジェクトのリーダーとして全体を統括する者としてステップアップできます。

後継者にとって、経営者としての基盤のようなものを作り上げていくプロジェクトが有効なのです。

・経営しやすい体制・仕組み

調剤薬局の事業承継と言うと、ある程度業務の流れが分かっている方も多いでしょう。

しかし、後継者が経営しやすい組織体制・仕組みにしておくのも経営者としての役割ではないでしょうか?

後継者が経営しやすいようにするためだけでなく、現在の調剤薬局の規模や成長に見合った組織体制と仕組みを確立させる上でも重要なのです。

現状に合わせて体制や仕組みを整えたり改善したりして、後継者がスムーズに業務に携われるような環境にしておく必要があるのです。

調剤薬局の経営者は、現在ある状況をそのまま保ち経営を存続させてほしいという思いがあるのではないでしょうか?

しかし、現状の良いところはそのままでも、改善するべきところや組織体制・仕組みを作り変えるべきところはしっかりと取り組んでいかなければ事業承継の意味がありません。

急激に変化させるのは困難ですが、長く愛される調剤薬局にしていくためには経営改革が必要なのです。

後継者は、通常の業務に加え様々な業務や企画などに携わり、身を持って経営における厳しさを学ぶ必要があります。

現場の経験・外部での刺激など、幅広い学びをしていけば、現在の経営者とは異なる人脈が築けます。

また、様々な経験を積めば積むほど後継者自身の視野も広がっていき、豊かな発想も生まれるでしょう。

事前に地域のリーダーなどが参加する交流会に参加しておくと、事業を継承するまでの期間や流れが把握できます。

実際に後継者に教育できる期間はどのくらいあるのか理解できると、その中で適切な教育方法を絞って明確にできるようになるでしょう。

効率的な教育方法ができれば、安心して事業承継できますし、従業員も新たな状況に躊躇せず業務に取り組めます。

後継者育成の支援策も受けてみよう

後継者の育成は、これまで築き上げてきた調剤薬局を存続させるために重要です。

そのため、中には後継者育成における支援策を利用する方もいます。

ここでは、そんな後継者育成の支援策を紹介しましょう。

・経営後継者研修

後継者候補を対象に経営戦略・財務関係・経営力・能力開発を学ぶ研修が設けられています。

調剤薬局後継者としての自覚・事業存続における手法・専門知識など幅広い内容を学べる場となっているので、参加しておいて損はないでしょう。

中小企業大学校東京校の支援学校で毎年行われているので、経営者が事前に申請をしておけば効率良く後継者育成ができるのではないでしょうか?

また、経営後継者研修では訓練給付金が支給される場合もあるので、資金を抑えられるというメリットもあります。

・経営革新塾

事業承継の後継者になった若い世代を対象にした講座が経営革新塾です。

経営革新塾では、経営戦略や組織管理などのノウハウを習得できます。

全国の商工会会議所で開催されているもので、事業承継の必要性・成功事例・経営環境・戦略に関する知識や実践方法などを身に付ける場になっています。

経営コンサルタントや中小企業診断士による口座なので、調剤薬局を経営していく上で必要な知識も多く学べるでしょう。

後継者育成の支援策として活用するには、経営革新塾は適しています。

後継者育成や選び方に悩んでいる方は、アテックにご相談を!

調剤薬局では、現在後継者不足が深刻な課題となっており、後継者が見つからずに薬局M&Aを利用している経営者がたくさんいます。

薬局M&Aでは、現在の調剤薬局の状況や経営者の方針・考えなどを基に最適な後継者をマッチングしてくれます。

事業承継後は、調剤薬局の経営権は後継者へと引き継がれ、店舗名や従業員解雇などは後継者次第です。

しかし、薬局M&Aを利用すればこれまでの事業体制や仕組みを崩すことなく、経営者の意向に沿った経営になりやすいでしょう。

薬局M&Aの仲介会社は多数ありますが、その中でもアテックは1991年の創業後、初となる調剤薬局専門特化のM&A事業に取り組んでいます。

アテックでは、薬局M&Aのサポートはもちろん、薬局経営支援サービスも提供しています。

経営技術や資金などを踏まえ、中長期的なリスクと調剤薬局の価値向上を進めているのです。

そのため、事業承継を考えている経営者をはじめ、後継者育成に悩んでいる方にもおすすめできます。

アテックは薬局企業再生実績も多く、財務改革や営業改革など的確な経営のノウハウを提供しています。

特に財務改革では、金融機関交渉や利害関係者との調整、資産・経費を効率化する方法などを踏まえた取り組みを進めており、後継者育成の際にも心強いパートナーとなってくれるでしょう。

また、アテックは「薬局市場ファーママーケット」では、事業承継したい経営者と後継者とをつなぎあわせるマッチングサイトも運営しています。

後継者選びが上手くいかない・より安心できる事業承継がしたいという方は、ファーママーケットも活用できるでしょう。

アテックやファーママーケットを活用して、後継者育成や後継者選びをスムーズに行ってみてはいかがでしょうか?

ここでは、後継者を選ぶ方法や後継者人材を育てる方法などを紹介してきました。

後継者不足が深刻になっている中で、どのように後継者を選べば良いのか、どのように育成すれば良いのか悩んでいる経営者は多いでしょう。

アテックやファーママーケットを利用して、満足のいく事業承継ができるよう進めてみてはいかがでしょうか?