現状を把握する勇気を
円滑な薬局承継をするためには、自社の状況を把握することが非常に大切です。事業承継の前に把握すべきポイントをあげてみましょう。
そもそも承継すべき会社なのか?
厳しい話になりますが、利益が出ないことがわかっている会社を、後継者に継がせることはありません。薬剤師不足、2年に一度の点数改正、後発医薬品在庫の増加、薬価差益の減少…。ひと昔前に比べ、薬局経営を取り巻く環境は決して良いとは言えません。
また企業や病院等でサラリーマンとして働いている子弟に継がせる場合、収入が減ることも大いに考えられます。その上、個人保証、精神的負担など、必ずしも会社を継がせることが子供の幸せとは言えません。親族外に承継する場合や、薬局M&Aを検討する場合でも、大きすぎる債務や赤字決算は、承継の壁となります。
ですから「後継者が会社を継いで、この先利益を出していけるのか?」。このような観点で会社の承継を考えてみましょう。
現状を把握するポイント
自社株の評価額を知る
自社株の評価額は、承継プランを立てる上で欠かせません。株価の算定は、取引先の金融機関などで行っています。
株主構成を知る
名義株、株主がわからない株などはないかを確認。円滑な承継のために、分散した株は、オーナーや後継者、会社が買戻したいものです。
後継者の意思を確認する
後継者候補が承継を望まないことは、よくある話です。逆にサラリーマンの息子が会社の承継を望むこともあります。ひとりで判断せず、必ず意志を確認しましょう。
債務保証を再確認する
債務に対して、通常、社長が個人保証をしています。承継者の負担を軽くするために、債務を圧縮する計画的な経営を行いましょう。
その2「後継者の適性とは?」