薬局M&Aは調剤薬局を手放したいオーナーだけではなく、譲渡を受ける企業側も効率良く事業を拡大できるメリットがあり注目されています。M&Aを行うためには売却・譲渡をしてくれる調剤薬局を探す必要がありますが、どのように探せばいいか悩む方は多いでしょう。今回は調剤薬局を買取・事業継承したい方に向けて、薬局M&Aのメリットや探し方などについて詳しくご紹介しましょう。

■売却・譲渡は企業と調剤薬局、両者にメリットがある

薬局M&Aは売却・譲渡する調剤薬局オーナー側にメリットが大きいというイメージがあると思いますが、企業にとってもメリットがたくさんあります。どんなメリットがあるのか、まずは双方のメリットから見ていきましょう。 【売却・譲渡する調剤薬局オーナーのメリット】 ・オーナーは利益を得られる 他の企業や個人に調剤薬局を売ることになるので、オーナーの手元に利益が渡ることになります。 ・薬局を残しておける 薬局の利用者にとって、突然通っていた薬局がなくなってしまうのはとても不便なことです。M&Aで店舗や事業を他の誰かに譲渡すれば、利用者のために店舗を残すことが可能です。また、薬剤師・従業員や取引関係者も薬局が残れば、関係を継続させることもできます。 ・後継者問題の解消になる 後継者が見つからないという問題に直面しているオーナーは多く、M&Aなら後継者問題の解決につながります。 ・個人保証や担保を外すことが可能 株式譲渡なら借入金などのリスクは企業側に引き継がれるので、合理的に個人保証や担保を介助することが可能です。ただし、株式の一部譲渡では解除されない可能性があるので、話し合いが必要です。 ・人材不足をカバー 採用活動ではそれなりにコストがかかるので資金力も重要と言えます。資金力に優れて企業・個人に譲渡できれば、積極的に採用活動をしてもらい人材不足をカバーしてもらうことが可能です。 【譲受される企業・個人のメリット】 ・新規参入しやすい 薬局業界に新規参入するためには店舗の出店が必要ですが、それには時間と大きな資金が必要です。M&Aなら薬局としての体制が整っているので、短期間で大きなコストをかけずに参入できます。 ・事業の拡大 薬局は立地が重要で、ニーズのある立地はほとんど埋まっている可能性があります。M&Aならニーズのある薬局を譲渡してもらうことができ、新規出店より低コストで事業の拡大が図れます。 ・従業員や設備、営業権を入手 営業権だけではなく従業員や設備もまとめて譲受することが可能です。一から人材や設備を確保するのは時間とコストがかかりますが、M&Aならあらかじめ環境が整っているので効率良く営業を開始できます。 このように、売却・譲渡側も譲受側も様々なメリットを得られます。新規事業を展開したい時や店舗を拡大したい時に薬局M&Aは最適と言えるでしょう。

■売却・譲渡してくれる調剤薬局を探すには?

薬局M&Aを行うためには売却・譲渡してくれる調剤薬局を探さなければなりません。探す方法は主に3つの手段があるので、その方法をご紹介しましょう。 【売却・譲渡してくれる薬局を直接探す】 まず挙げられるのが直接売却・譲渡をしてくれる調剤薬局を探すことです。企業側から調剤薬局にアプローチしたり、ホームページなどで呼びかけたりすることでM&A先が見つかる可能性があります。行き当たりばったりでは上手くいかないので、しっかり情報を集めて行わないと非効率な探し方であることが欠点です。 また、交渉も個人同士で行うのでM&Aの知識がないとトラブルに発展する可能性があります。最悪、M&A失敗の可能性もあるので、知識がない方や人脈を持っていない方には難易度の高い探し方と言えるでしょう。 【薬局M&A専用のマッチングサイトから探す】 調剤薬局の売却・譲渡に積極的なオーナーの場合、薬局M&A専用のマッチングサイトに登録して情報を掲載していることが多いです。マッチングサイトには大まかですが、立地や売却条件、価格などが記載されているので自分の希望とマッチした案件を探せます。 人脈がないとM&A先を直接探すことは困難ですが、マッチングサイトであれば人脈がない人でも効率良く探せるメリットがあります。ただし、マッチングサイトでは交渉のサポートなどを実施していないところもあり、M&Aは当事者同士の直接交渉になる可能性があるでしょう。直接探した時と同様に知識がないと交渉やM&Aに失敗する可能性があるので、どこまでサポートしてくれるか確認しましょう。 【M&Aの仲介会社で探す】 M&Aの仲介会社では様々な案件を取り扱っているので、マッチングサイトでは見つからなかった希望に合った案件が見つかる可能性があります。自分の希望条件を元にぴったりな案件を探してくれるので、自ら探す手間がかからない店が利点です。また、売却・譲渡を希望する調剤薬局の詳しい情報も持っているので、安心してM&Aに移れることも大きなメリットでしょう。 仲介会社では交渉や手続きのサポートを受けられる点も大きな利点となります。仲介会社の担当スタッフを通じて交渉が行われるケースがほとんどなので、交渉が苦手な方やM&Aが初めてという方も安心です。 【薬局M&Aは仲介会社が望ましい】 売却・譲渡してくれる調剤薬局の探し方は様々な方法がありますが、効率良くトラブルを抑えてM&Aを行うのであれば仲介会社の利用がおすすめです。薬局M&Aでは交渉だけではなく、事前調査と精度の高い資料作成も重要となります。トラブルを回避するためには企業評価が公平であるか、財務・法務面に問題はないかなどを把握できないと譲受側は損をすることになってしまうでしょう。 特に譲受側は簿外債務に注目しなければなりません。直接交渉の場合、精度の低い資料だと簿外債務などマイナスポイントに気付けない可能性があります。仲介会社は専門的な分析で詳細な資料を作成し、双方が納得できる交渉になるようサポートしてくれます。 マイナスポイントが分からないままM&Aを勧めると破談や訴訟が必要になる場合もあり、ただ損失が大きくなるだけです。M&Aの知識が少ない方は直接探したり、サポートが少ないマッチングサイトで探したりする方法は避けて仲介会社を活用すると良いでしょう。

■薬局M&Aを成功させるために知っておきたい失敗事例

薬局M&Aは、絶対に成功する取引ではないため、失敗してしまった事例も数多くあります。今後は需要も高まっていくことが予想されるため、どんどん増えていく可能性はあるでしょう。しかし薬局M&Aを買い手として成功させるためには、失敗事例から学ばなければいけないこともたくさんあるので、どのような失敗事例があるのかご紹介していきます。 【薬局M&Aを検討しているという情報が漏れてしまった】  情報漏えいは企業にとって大きな問題の1つですが、薬局M&Aにおいても同じことが言えます。情報漏えいは買い手と売り手双方の企業にとって、大きな影響を与えることになるでしょう。買い手は情報管理ができていないと思われて信用を失ってしまい、売り手は従業員に情報が漏れることで人材の流出リスクが高まってしまいます。 これらのリスクは、薬局M&Aにおいて避けたいものです。M&Aアドバイザーや従業員からの信用が失われてしまうと、薬局M&Aの話し合いを進めることすら難しくなってしまう可能性もゼロではありません。そのため、情報管理は売り手側に気を付けてもらうことはもちろんですが、買い手側も気を付ける必要があります。 【M&Aアドバイザー選びを間違えてしまった】 M&Aアドバイザーは、薬局M&Aを行う上で重要な役割を担います。薬局M&Aを行う時には、薬局M&A仲介会社やFA(フィナンシャル・アドバイザリー)などの専門的な知識を持つ人に相談し、サポートしてもらいます。しかし、M&Aアドバイザー選びを間違えてしまうと失敗につながるので注意しなければいけません。 薬局M&Aは、小規模な会社から上場しているような大企業まであります。その中には、知識をそこまで持っていない会社やFAがいることも事実です。M&Aアドバイザーを決める時に、1人しか面談をしない、費用が安い会社やFAを選んでしまうと失敗につながる可能性が高くなってしまうので、M&Aアドバイザーはじっくりと選びましょう。 【債務を把握していない薬局M&Aを行ってしまった】 基本的に、債務は帳簿上に記載されていて管理されています。その債務は、把握することでき、M&Aの交渉を行う時に提示すれば問題ありません。しかし、簿外債務は貸借対照表に記載されていないため、業績があまり良くない売り手の場合はそれについてもきちんと確認しましょう。 交渉段階やM&Aがまとまったタイミングで簿外債務が発覚するのは最も良くないパターンです。売り手に悪意がない場合でも、簿外債務の管理がきちんとできていないのであれば、リスク管理ができていないと見なされます。したがって、売り手の簿外債務があるかどうかを買い手が把握し、もしも把握できていない場合はその会社の買収を避けた方がよいと言えるでしょう。 薬局M&Aの失敗事例にはこのようなものがあります。これから薬局M&Aを活用しようと考えているのであれば、このような失敗事例の二の舞にならないように気を付けてください。

■仲介会社の選び方

ここまでは、薬局M&Aのメリットとデメリット、薬局M&Aを検討している調剤薬局の探し方、薬局M&Aを成功させるために知っておきたい失敗事例をご紹介してきました。では、これらのポイントをしっかりと押さえた薬局M&A仲介会社はどのように選べば良いのでしょうか?続いては、買い手になるなら知っておきたい薬局M&A仲介会社の選び方についてご紹介しましょう。 【情報漏えいをしないと確信が持てる仲介会社に委託する】 薬局M&Aを仲介会社に委託する場合、仲介会社に買い手と売り手の情報をさらけ出すことになります。お互いのことを知っていないと予期せぬトラブルに発展してしまう可能性があるからです。そのため、委託する仲介会社は情報漏えいをしないと確信が持てることが重要になるでしょう。 仲介会社が仲介業務を行う中で得られた情報に関してはきちんと管理し、必要な時に開示をしなければいけません。たとえ同業他社への情報提供だったとしてもそれは情報漏えいになってしまうため、そのような仲介会社は信頼できないと言えます。信頼できるかどうかは、これまでの実績を確認することで確かめられます。 【薬局M&A仲介会社のセミナーに参加する】 薬局M&Aを成功させるための仲介会社を選ぶためには、M&Aに関する情報を集めることも重要です。薬局M&A仲介会社の中には、セミナーや無料相談を定期的に行っている会社もあるため、それに参加してM&Aの知識を深めることができ、手続きについても知ることができます。経験がある薬局M&A仲介会社では、売却価格の試算をしてくれるケースもあるため、薬局M&A仲介会社のセミナーに参加することでどこの薬局M&A仲介会社に依頼をするのがベストなのかを決定しやすくなるでしょう。 薬局M&A仲介会社はいくつもあります。どの仲介業者を選ぶと理想的な売り手に出会えるのかを知るためにも、これらの選び方のポイントを参考にしてみることをおすすめします。

■薬局M&A仲介会社のおすすめはアテック

いくつもある薬局M&A仲介会社の中で、どの仲介会社が良いのか迷ってしまうという買い手も少なくないでしょう。そのような場合におすすめしたいのが、アテックです。 アテックは、公正な立場でM&Aを行うだけではなく、調剤薬局に関する情報を熟知しています。正しい情報を持つ薬局M&A仲介会社は信頼することもでき、適切なサポートをしてくれると期待できます。そのため、買い手と売り手双方にとってメリットのある提案をしてもらうことができるのです。 そんなアテックは、ファーママーケットという薬局M&Aマッチングサイトも運営しています。ファーママーケットは、薬局を譲渡したいと考えている売り手と新しく薬局を開局したいと考えている買い手の双方にメリットがあるマッチングをしてくれるサイトとなっています。売却希望と購入希望の数も少なくないため、希望するM&Aを実現できるでしょう。 薬局M&A仲介会社をどこにしようかまだ決めていないのであれば、ぜひアテックやファーママーケットを利用してみてください。適切なサポートを行うことで、メリットが大きいM&Aを実現でき、買い手にとっても満足度が高いものになります。
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