調剤薬局のM&Aを検討するケースが増えています。しかし、全てのM&Aが成功するわけではなく、失敗してしまうこともあります。そのため、M&Aを行うのであれば、どのような失敗事例があるか知っておく必要があるのです。

今回は、失敗事例や成功事例、失敗事例から得られる学びについて解説していきます。これからM&Aを行おうと考えている調剤薬局のオーナーは、ぜひ参考にしてみてください。

■調剤薬局のM&Aの失敗事例



まずは、調剤薬局のM&Aの失敗事例からみていくことにしましょう。

・調剤薬局業界に特化していない仲介会社に依頼をした事例

M&Aのサポートを行っている会社はいくつもあり、それぞれが得意としている業界があります。得意な業界に関するM&Aであれば、成功する可能性が高くなりますが、そうでない場合は失敗してしまうリスクが高まってしまうので注意しなければいけません。実際にそれで失敗してしまったという事例もあります。

調剤薬局業界に特化していない仲介会社に依頼をしたオーナーの中には、およそ2年もの間買い手候補が見つからなかったという事例もあるのです。医療業界に関する知識がないと仲介会社側が適切なアドバイスをできなくなってしまうことが失敗の原因だと考えられるでしょう。特に、医療や介護、福祉といった分野では報酬制度などを理解していなければ、売却後の売上げ低迷などのトラブルに繋がってしまう可能性もあるので、専門的な知識を持つ仲介業者に依頼することが重要だと言えます。

・金融機関から再生機関に持ち込みをした事例

調剤薬局を経営している中で借金が増えてしまい、どうにもできなくなってしまうケースもあります。そのような場合、金融機関に相談し、再生機関に持ち込むことがあるのです。そうなってしまう前にM&A仲介会社に相談できれば良かったのですが、再生機関に持ち込んでしまうとサポートを受けられなくなってしまいます。

M&Aをしていれば相場より高い価格で買い取ってくれる買い手を見つけることができた可能性もありますが、再生機関だとそれよりも低い金額しか出せない可能性が高いのです。つまり、買い取ってもらえたとしてもオーナーの借金が残ってしまいます。このような失敗事例もあるため、再生機関に持ち込むべきか、専門的な知識を持っているM&A仲介業者に依頼すべきか、熟考する必要があると言えるでしょう。

・経営が悪化してしまった事例

M&Aを行ってから経営が悪化してしまった事例もあります。買収される前の経営には問題がなかったにもかかわらず、買収後に経営が悪化してしまったらそのM&Aは失敗ということになります。元オーナーが経営から離れることによって、それまでのつながりがなくなり、仕事が減ってしまうことも念頭においておかなければいけません。

それだけではなく、買収する前から財務状況がよくなく、債務超過などが顕著な場合も失敗につながります。買収によって経営の実態が明らかになったケースでは、そうなってしまうことが多いです。しかし、きちんと専門的な知識を持つ仲介会社からサポートを受けていれば、金銭的な問題はある程度回避できる可能性があることも覚えておきましょう。

・人材が離れてしまった事例

M&Aを行ったことが原因で、薬剤師などの人材が離れてしまうこともあります。M&Aを機に働いていた社員が辞めてしまうと、買収先の企業が感じる価値は大幅に下落してしまいます。そのような状況を防ぐためには、買収先の社員といかにコミュニケーションを取るかが重要になることを覚えておかなければいけません。

もし、買収される側の調剤薬局を見下すような企業だった場合、反感だけが残ることになりかねません。それではせっかくのM&Aが失敗に終わってしまうため、社員のことを考えたコミュニケーションをM&Aを検討し始めた段階から取っておく必要があるのです。

■調剤薬局のM&Aの成功事例



調剤薬局のM&Aには、失敗事例だけではなく成功事例ももちろんあります。続いては、どのような成功事例があるのかみていきましょう。

・M&Aで後継者不足という問題を解決した事例

調剤薬局のM&Aは、後継者不足を解決するために行われるケースが多いです。中には失敗してしまう事例もありますが、ここでは成功した事例についてみていくことにします。

ここでピックアップするのは、地域密着型の調剤薬局です。長年地域の人に利用されてきたのですが、オーナーの高齢化によって経営を続けることが難しくなってしまいました。そのため後継者となる人材を探していたのですが、なかなか見つけることができませんでした。

そのような状況の中で、薬価の改定も行われ、大手企業の傘下に付いた方が安定するのではないかと考えるようになったのです。オーナーの娘さんが弁護士をしていたので相談をしてみたところ、M&Aを進められたと言います。それを機に、手続きをスタートし、大手企業からの買収が決まりました。

買収を決定する前の顔合わせでは、売却価格がオーナーの希望以上だったこともあり、問題なくスムーズに話し合いが進んでいったと言います。従業員の雇用や待遇に関しても希望に沿ってくれるという結果になり、M&Aが成立となりました。このような事例は、まさに成功の代表的な事例だと言えるでしょう。

・M&Aをしたことで閉局を免れた事例

調剤薬局に限った話ではありませんが、一部のベテラン社員がいなければ成り立たないという中小企業は少なくないでしょう。この事例で紹介する調剤薬局もそのような状況になっていたのです。管理薬剤師が1人しか在籍しておらず、その人が辞めてしまったり、何らかの理由でしばらく休まなければいけなかったりすると、調剤薬局として成り立たなくなってしまうため何とかしなければいけませんでした。

そんな時に、唯一の薬剤師が長期的な入院を余儀なくされてしまったのです。しばらくの間は臨時雇用の薬剤師でシフトを回していたのですが、在籍している人数では足りなくなってしまうという状況でした。またオーナーは、薬剤師の資格を持っていなかったため、シフトに入ることができません。

急遽採用活動も行ったのですが、なかなか希望する人も現れませんでした。そのため、調剤薬局のM&Aを決めたのです。個人でM&Aを成功させることは難しいと感じたので、オーナーは調剤薬局のM&Aを積極的に行っている仲介会社に依頼することにしました。その結果、買い手と売り手の条件が合う薬剤師に巡り合うことができ、閉局を免れました。

・独立を希望する薬剤師がM&Aでオーナーになれた事例

薬剤師の資格を持っている人の中には、将来的に独立をしたいと考えている人も多いです。しかし、独立支援を行っていると謳っていたとしても手厚いサポートをしてくれる調剤薬局はそこまで多くありません。そのため、結果的に独立ができないままになってしまうケースもあります。

そのような状況の中でも独立したいという思いが強い場合は、M&Aで買い手を募集している調剤薬局を探す必要があるのです。そのためには、仲介を支援してくれる会社のサポートを受けた方が、理想とする結果を手にしやすくなるので、依頼をするケースが多く見られます。

実際に調剤薬局のM&Aを行っている仲介会社に依頼し成功を収めた事例も多数あります。成功するために押さえておきたいポイントは、買い手と売り手双方の希望をきちんと聞いてくれるかどうかという点です。お互いの希望をきちんと聞いたうえで話し合いを進めることができれば、より良い結果を手にできる可能性が高まります。

このことから、独立を希望する薬剤師がM&Aでオーナーになって成功するためには、お互いの希望をきちんと聞いてくれる調剤薬局のM&A仲介会社を見極めることが重要だと言えるでしょう。

■失敗事例からは多くの学びを得られる



調剤薬局のM&A以外にも同じことが言えますが、失敗事例からはいろいろなことが学べます。最後に、失敗事例から得られる学びにはどのようなものがあるのか見ていくことにしましょう。

・リスクなどをきちんと把握できるようにすると失敗しにくくなる

M&Aはいくら専門的な知識を持つ仲介会社からサポートを受けたとしても、リスクをゼロにできるとは限りません。そのため、どのようなリスクが生まれる可能性があるのかあらかじめ把握しておくことが重要になるのです。あらかじめ、可能性があるリスクを把握しておけば、それに対する対策も講じやすくなるからです。

・優先順位を付けて考える

優先順位を付けて考えることも重要なポイントになるので念頭においておくようにしましょう。調剤薬局のオーナーは、M&A中であっても経営者としての仕事を疎かにしてはいけません。上手く次期オーナー探しと仕事を両立させるためには、仲介会社など専門的な知識を持つところに相談し、適切なサービスを利用するようにしてください。

・相手が誰であろうと取引相手ということを忘れないようにする

M&Aの相手が知人だというケースも実は一定数あります。知人だとどうしても甘えが出てしまったり、細かな決め事をせずに曖昧になってしまったりすることがあると予想されます。プライベートの約束であればそれでも良いかもしれませんが、M&Aはこれまで経営してきた調剤薬局の明暗が分かれてしまうため、相手が誰であろうと取引相手ということを忘れないようにすることも重要です。

調剤薬局のM&Aを行った事例の中には、知人だからという理由で次期オーナーを決めてしまい、失敗してしまったというケースもあります。このことから、情だけで決めるのではなく、経営者として問題がないかきちんと確認した上で決めなければいけないということになるでしょう。

知人だと無理な要望を伝えられた時に断りにくくなってしまい、結果的に従業員が不満を感じ、退職者が増えてしまう可能性もないとは言い切れません。それでは本末転倒なので、誰が買い手になっても取引相手だということを一番に考え、適切な返答をするようにしてください。

・権利関係をきちんと確認しておく

失敗せずにM&Aを行いたいのであれば、権利関係をきちんと確認しておく事も重要なポイントになります。M&Aを行う前に整理しなければいけない部分を疎かにしているオーナーもいるため、

あなたが薬剤師で独立を目指しているならきちんと確認しておくようにしましょう。確認を怠ってしまうと、役員や株主が反対していることが話し合いの最中に判明し、大きな負担になってしまう可能性があります。

そしてあなたがオーナーである場合は、株主との協議をあらかじめ役員や株主との間で話し合いを行っておく必要があると言えます。そこで納得してもらえれば、スムーズにM&Aを進めることが可能になるからです。

・売却する側ならタイミングを逃さないようにする

調剤薬局のオーナーとして売却を検討しているのであれば、売却する側ならタイミングを逃さないようにしましょう。買い手側の企業の意欲が高まっていたとしても、リーマンショックや新型コロナウイルスの蔓延といった問題が起こってしまうと、その意欲はガクッと下がってしまいます。また、交渉に時間がかかってしまったことが原因で買収意欲が下がってしまうこともあります。

そうなってしまうと、売り手側はなかなか次期オーナーを見つけられなくなってしまうので注意が必要です。少しでも早く売却したいなら、タイミングをしっかりと見極めるようにしましょう。

・売却の相場を把握しておく

売却の相場を把握しておけば、オーナーが損をせずに済みます。M&Aでは一定の相場が存在しているので、それに沿って売却価格を決めなければいけません。相場より高ければ買い手が見つからなくなってしまいますし、安ければ買い手は見つかるけれどオーナーが大損してしまうという結果になりかねません。

■調剤薬局のM&Aを考えるならアテックへの相談がおすすめ



調剤薬局のM&Aを成功させるためには、専門的な知識やノウハウが必要になります。そのため、調剤薬局のM&A仲介会社に相談した方が良いと言えるでしょう。特におすすめなのは、アテックです。

アテックは、日本初の調剤薬局M&A仲介会社として立ち上がった会社です。これまでに多くの調剤薬局M&Aをサポートしてきたという実績を持ち、ノウハウも豊富に有しています。

そんなアテックは、ファーママーケットというマッチングサイトの運営も行っています。ファーママーケットでは、調剤薬局を譲渡したいオーナーと独立した薬剤師・買収した企業を結び付けるというサービスを提供しているのです。もし、調剤薬局のM&Aを検討しているなら、この様なサービスもぜひご活用ください。
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