2020年に医療報酬が改定されました。この改定は、2018年に行われた改定と比べてみるとそこまで大きいものではありませんでした。しかし、2020年の改定では2040年問題に関する課題が示されていることから、軽視できないものとなっています。

「人生100年時代に向けた『全世代型社会保障』の実現」というテーマが打ち出されたことからも、新しいステージに突入したと考えられるでしょう、そのような状況を踏まえ、調剤薬局は今後の方向性を決めていかなければいけません。

そこで今回は、医療制度はどのように変わるのか、薬機法の見直しで生まれる変化にはどのようなものがあるのか、調剤薬局と診療報酬改定の関係性はどうなっているのか、調剤薬局は今後どのような役割を担うのかといった点について解説していきます。経営に悩んだ時の相談先となっているアテックについてもご紹介します。これからの薬局経営をどうすべきか悩んでいる方は、目を通してみてください。

■医療制度はどのように変わるのか?

まずは、医療制度はどのように変わるのかという点からみていくことにしましょう。

・診療報酬が引き上げに

2020年の診療報酬改定では、診療報酬本体が0.55%引き上げとされることになりました。「勤務医の働き方改革」に対して0.08%が割り当てられていて、残りは医科・歯科・調剤に対して従来と同じ比率で配分されています。調剤報酬は、2016年と2018年の診療報酬改定では大型門前薬局に対する引き下げが行われましたが、それがなかったのは大きなポイントだと言えるでしょう。

・救急医療に対して重点が置かれる

医療機能の分化や連携、地域包括ケアシステムの推進など、これまでの基本方針は引き継ぎとなっています。それにプラスして、医療従者の負担を軽減することにも重点が置かれるようになりました。特に、医師などの働き方改革は重点を置くべき課題とされています。

労働時間が多くなりがちな救急医療に対する手当も追加されることになりました。救急搬送を1年間で2,000件以上受け入れているなどの実績を持つ病院に対して適切な労務管理を行うことが条件となっています。条件をクリアすると、「地域医療体制確保加算520点」が加算されるようになったのです。

・常勤薬剤師に関する要件が緩和

医療機関の上記に薬剤師に関しては、病棟薬剤業務実施加算や薬剤管理指導料で常勤配置に必要となる要件が緩和されました。これまで点数の算定ができなかった中小病院にとっては朗報だと言えるでしょう。

さらに、テレビ電話などを用いたカンファレンスも認められるようになりました。それによって、保険薬局も退院時のカンファレンスなどに参加しやすくなるというメリットが生まれると考えられます。

■薬機法の見直しによる変化

「患者のための薬局ビジョン」が厚生労働省から示されてから、保険薬局を取り巻く環境、制度が大幅に変化しています。続いては、どのような変化があったのか見ていくことにしましょう。

・継続的な関わりが義務化された

2019年4月には、厚生労働省から「調剤業務のあり方について」という通知が出されています。これによって、薬剤師が最終的な責任を持つことを前提とした場合、PTPシートの取り揃えなどを含む調剤業務を薬剤師意外に任せても良いと明確化されました。

これからは、調剤補助を行うスタッフや調剤ロボットも導入されていくと考えられます、そのため、調剤料だけではなく、対人で行う業務をどのようの評価できるかが薬局の将来を分けることになると予想できるでしょう。

そして2019年12月には、改正医薬品医療機器等法(薬機法)も交付されています。この改正では、調剤のみではなく、服薬期間中も継続的に状況の把握や薬学的指導を行うことが義務付けられました。また、努力義務ではありますが、医師への情報提供も求められるようになっています。

診療報酬が改定され、服薬期間中のフォローや医療機関に対する情報提供が評価されるようになりました。これは、薬局が持つ役割をより強化する第一歩だと言えるでしょう。

・専門医療機関連携薬局と地域連携薬局について

専門医療機関連携薬局は、専門ていな医療機関と連携することによって薬学管理を行う薬局です。それに対して地域連携薬局は、在宅医療などを行う医療機関や他の薬局、介護施設などと連携し、地域に密着したサービスを提供する薬局のことです。この2つは、都道府県知事が認定して儲けられると薬機法で定められています。

薬機法では、服薬管理は対面が原則とされています。しかし、調剤された薬に関するオンラインの服薬指導も認められるようになりました。オンライン服薬指導の点数も設けられているため、なかなか薬局に足を運ぶことができない高齢者などにとって嬉しいサービスだと言えるでしょう。

2020年の診療報酬改定では、薬機法など薬局を取り巻いている制度の制定が進められています。これには、社会情勢の変化などを考慮して薬局の在り方を変えていかなければいけないという考えがあるからだと言えます。

■調剤薬局は診療報酬の改定でどう変わる?

調剤薬局業界は、他の業界と比べてみると目覚ましい成長を遂げています。しかし、取り巻いている環境は著しく変化しているため、利益を高めていくことは難しいという状況になっているのです。そのような状況を踏まえ、診療報酬の改定が調剤薬局にどのような影響を及ぼすのかみていきましょう。

・調剤薬局を経営する際に生じる課題

調剤薬局経営において生じる課題は、それぞれの薬局によって異なります。しかし、共通する課題もあると考えられます。

共通する課題には、患者様からリピートしてもらうための工夫をしなければいけない、待ち時間をできるだけ短くしなければいけない、薬剤副薬歴管理指導を短時間で的確にこなさなければいけないといった課題です。その他にも、疑義照会などの確認は少しでもスピーディに行う、会話の質をレベルアップさせるといった課題も調剤薬局はかいけつしなければいけないと考えているケースが多く見られます。

周囲の医療機関医依存してしまうと、経営が困難になってしまう可能性を高めかねません。そうなることを防ぐためには、これらの課題を改善し、質の高いサービスの提供が必要となります。そしてそれが、調剤薬局の安定した経営につながっていきます。

・薬剤師の残業時間を短くすることも重要

調剤報酬の改定により、特定の医療機関からの処方箋が大半を占める場合、調剤報酬が引き下げられることになりました。これには、地域医療を促進させるという厚生労働省の狙いがあるのですが、薬剤師の業務が増えてしまい、残業がより長くなってしまうという懸念もあります。このことから、薬剤師の残業時間を短くすることも重要だと言えるでしょう。

患者様がぎりぎりの時間にやってくることもあり、薬局を閉められないというケースはすくなくありません。薬剤師は、薬を処方するだけではなく薬歴を書いたり、在庫の整理をしたりといった業務も行う必要があります。それだけではなく、各種書類の整理も必要になるので、帰宅時間が遅くなってしまうことも珍しくないのです。

薬剤師を雇うことができればそのような問題を解決できる可能性がありますが、利益が伸びないという状況では新しい人材を雇うことも難しくなってしまいます。それでは負のループに突入してしまうので、質のようサービスを提供するためにも、いかに薬剤師の残業時間を減らせるかについてもしっかり考えていかなければいけないでしょう。

調剤報酬の改定で調剤薬局には様々な影響が及びますが、その影響の幅をいかに減らすかがポイントになります。薬剤師不足で負担ばかり増えてしまうのであれば、M&Aも視野に入れて今後の経営について考えていかねばなりません。

■調剤薬局の役割にも変化が生じる

調剤報酬の改定によって、調剤薬局の役割にも変化が生じることになります。最後に、具体的にどのような変化が生じると予想されるのかみていくことにしましょう。

・地域包括ケアシステムにおける調剤薬局の役割について

日本は少子高齢化が加速していて、高齢者の数は増加傾向となっています。他の国も同様の傾向はありますが、日本はそのペースがかなり早いと危惧されているのです。

そのような状況の中で、医療の在り方も見直されるべきだという声が上がっています。その1つが、在宅医療をより充実させるという点です。在宅医療を支えるためには、調剤薬局も重要な役割を担うと考えられます。

在宅医療を受けている患者様の薬学管理には課題がたくさんあります。特に、在宅医療を受けている患者様は家から出ることができないケースが多いというのは大きな課題だと言えるでしょう。

調剤薬局の数はコンビニよりも多いと言われているので、在宅医療に人員を避けるのではないかと考える人もいるはずです。しかし実際は、薬剤師不足が目立っているので調剤業務で手一杯になっているところも少なくありません。また、夜間に対応しなければいけないケースも想定されます。

そのような課題をクリアすることができれば、在宅医療とより密に連携できるようになります。調剤薬局が薬局として十分な役割を担えるようにするにはどうすべきなのか、考えて対応を検討しておく必要があるでしょう。

・医薬分業制度について

医薬分業制度に関しては、バッシングをしている人も見られます。しかし、医薬を分業することによるデメリットはほぼないと考えられ、世界的に見ても医薬分業が不要だとしている国はないと考えられます。それでもネガティブな意見を発する人は少なからず存在するため、薬剤師が医薬分業の中ですべきことをはっきりさせておくことが重要になるでしょう。

調剤薬局の数は非常に多くなっているため、医薬分業制度を視野に入れた場合、いかに患者様から信頼してもらえるかが重要になります。門前薬局ではなく地域連携薬局の場合は特に信頼してもらえなければ、売上げが落ちてしまう可能性が高くなってしまいます。それを踏まえて考えてみると、患者様に信頼されるようなサービスを提供することはかなり重要になると言えるでしょう。

医薬分業制度も中で売上げを維持するには、前述したように在宅薬剤管理業務の推進がターニングポイントになると考えられます。24時間調剤ができ、在宅医療をサポートできるようになれば、より頼られる地域密着型の調剤薬局に変わっていけるからです。

■調剤薬局の経営に悩んだ時の相談先はアテック

医療制度の改革によって、調剤薬局の在り方にも変化が生じます。変化が生じた場合、経営が困難になってしまう可能性もないとは言い切れません。そのような時にM&Aを検討するケースが増えるため、最後に調剤薬局のM&Aを考えた時の相談先になるアテックについてご紹介しましょう。

・アテックとはどのような会社なのか

アテックは、1991年に創業して以来多くの調剤薬局M&Aを実現させてきた会社です。経営している調剤薬局を手放したいと考えているオーナーと経営者候補のマッチングを行ってきました。経営環境が急激に変化していることから、調剤薬局のマネジメントには高度な技術が求められるようになってきました。

アテックでは「21世紀の薬局を元気にする!」というスローガンを掲げ、医療業界の流れに乗りながら、薬局と医療機関の相互発展を願っています。抱えている課題を解決へと導くための方法を共に考え、最善策を見つけ出せるような体制を整えているのです。

・アテックが運営しているファーママーケットについて

アテックは、ファーママーケットというサイトを運営しています。これは、調剤薬局M&Aマッチングサイトです。調剤薬局を譲渡したいオーナーと独立を考えている薬剤師・薬局の買収を考えている経営者がたくさん登録しています。

ファーママーケットでは、売却と購入を希望している人を一覧でチェックできるようになっています。そのため、条件に合う後継者を見つけやすいというメリットがあるのです。条件が合う後継者が見つかるということは、トラブルも回避しやすくなります。

調剤薬局の後継者探しは、簡単に進まないというケースも珍しくありません。特に個人で全てやろうとするとどこかで頓挫してしまう可能性が高くなってしまいます。そうなることを防ぐためにも、経営に悩んだらアテックまでご相談ください。

アテックではそれぞれの状況に合わせた適切なアドバイスをさせていただきます。これまでに培ってきたノウハウや実績を活かしながら、理想的な結果を手にできるようなサポートを心掛けております。
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