調剤薬局業界では、薬剤師の数が不足していることが大きな課題となっています。働く従業員がいない場合、薬局は廃業に追い込まれてしまう可能性も高く、中小の薬局を経営する経営者は頭を抱えています。

今回は、調剤薬局業界で大きな課題となっている薬剤師不足の原因についてご紹介します。また、対策法についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

■薬剤師が不足しているのは一体なぜ?

患者に処方する薬の調合を行ったり、適切なアドバイスをしたりする薬剤師は、私たちにとって身近な存在です。一般的に、医療機関周辺に設置されており、受診後、薬を処方してもらうために調剤薬局へ足を運ぶ人もたくさんいます。

調剤薬局業界では、薬剤師として働く従業員の人手不足が慢性的な問題となっており、経営を続けていくのが難しい状況に追い込まれている薬局も後を絶たないようです。2020年1月時点での求人倍率は4.76倍となっており、極めて倍率が高いことがわかります。

薬剤師の需要は高い状況が続いているにも関わらず、一体なぜ人手不足が生じてしまうのでしょうか?ここでは、薬剤師が不足してしまう主な原因について詳しくご紹介します。

・医療分業の促進

医療分業とは、薬を調合する人と処方する人が分離していることを指します。近年、日本では医療分業が急拡大しており、医師、薬剤師、専門家がそれぞれの役割を分担して行うケースが多くなっています。

医療分業が拡大していることによって、薬剤師の働き口は増えていますが、調剤薬局にとって医療分業の拡大は痛手です。その理由は、医療分業が進むことによって、大手ドラッグストアや薬局に薬剤師が流れてしまう可能性が高くなるからです。

大手メーカーは小規模で経営している調剤薬局とは違って安定しているため、将来性のある就職先だと言えます。選択肢として、中小の調剤薬局と大手メーカーの2つの就職先がある場合、ほとんどの人は後者を選ぶでしょう。調剤薬局業界において、医療分業がもたらす影響は極めて大きなものなのです。

・加速する高齢化

日本では高齢化が進んでおり、年々高齢者人口が増えているような状態が続いています。加速する高齢化に伴い、調剤薬局では人手不足が深刻化してきています。定年を迎える薬剤師が増えている一方で、新たに薬剤師として働く若い世代の確保が難しくなっているのです。

・薬剤師免許なしで働ける職場への就職や転職

調剤薬局やドラッグストア、病院で働く場合、管理職に就かない限り、年収は頭打ちされてしまうことが多いです。薬剤師の国家資格を取得するまでの道のりは険しく、講義や実習を経て試験に合格し、やっとの思いで資格を取得する人もいます。

そんな苦労に釣り合わない給与額に不満を感じる人も多いようです。製薬会社のMRや研究開発職は国家資格が不要であるにも関わらず、給与額が高いという大きなメリットがあります。

薬剤師の働き口として非常に人気が高いため、薬剤師免許が不要である上、給与が高いといった特徴を持つ機関は、調剤薬局が人手を確保できない大きな原因となっているのです。

・働く薬剤師は女性の割合が高い

実際に調剤薬局で働く薬剤師の男女比率を見ると、約6割を女性が占めており、男性薬剤師の数が少ないことがわかります。しかし、女性は結婚、妊娠・出産、育児など、ライフステージに変化が起こりやすいため、長期的に務めることが難しい傾向にあります。

必然的に離職率が高くなることから、個人の事情でやむなく職場を離れてしまう場合、結果として人手不足に発展するのです。女性従業員の割合が多い職場において後を絶たない問題ですが、工夫次第では離職を防げる可能性もあります。

・薬学教育が6年制に変更された

薬剤師養成のための薬学教育は、2006年度に4年制から6年制へと変更されました。これまで、薬学部では実務実習、専門薬学、基礎薬学、一般教養を4年制学部としてきました。

しかし改定以降、学部は薬学部と薬科学部の2つに分けられ、それぞれで6年の課程を修了した人のみが、国家試験を受ける資格を得られるように変更されたのです。この変更により、薬剤師を目指す人々は資格取得に6年という長い年月を費やすため、より収入が安定しやすい大手ドラッグストアや薬局を就職先に選びます。

これにより、安定性の低い中小の調剤薬局は選択肢から除外されてしまうのです。大手メーカーへの人材流入は、調剤薬局業界にとって深刻な問題となっています。

・新型コロナウイルスによる影響

調剤薬局業界は新型コロナウイルスによる影響を大きく受けており、実際にウイルスが蔓延する前と比べると、薬局の倒産件数は過去最多を記録しています。コロナ禍で窮地に立たされている薬局は意外にも多く、仕方なく店を閉店してしまう経営者もいます。

薬局を利用する人の多くは、高齢者です。コロナ感染のリスクを恐れ、これまで通り通院できなくなっている患者は多いことから、調剤薬局の需要が低下しているのです。こうした需要の変化は、薬局にとって非常に大きなダメージとなります。

■薬剤師不足を解消するための対策

ここまで、調剤薬局が慢性的な人手不足に陥っている主な原因についてご紹介してきましたが、この問題を解決するためにはどうすれば良いのでしょうか?ここでは、具体的な対策についてみていきましょう。

・機械化を促進させる

機械化をマイナスに捉えるのではなく、効率的に業務をこなせるようになる手段の一つとして考えましょう。現在、業界では対物業務から対人業務へとシフトされ、これまで以上に患者と向き合う時間が大切になっています。

一人ひとりに対し、適切で丁寧な指導・アドバイスを行うためには、業務の機械化が必須となります。すでに医療業界では機械化が進んでおり、現場では欠かせない存在となっているようです。

調合に関する計算や計量、薬歴管理などを機械化することで、薬剤師への負担が軽減されます。患者とのコミュニケーションや専門知識を活かした業務に専念できるようにし、増え続ける薬剤師の作業を少しでも減らすためには、機械化を促進させることが極めて重要なのです。

・女性が働きやすい環境を整える

調剤薬局で働く薬剤師の約6割が女性と言われている中で慢性的な人手不足を解消するためには、女性が働きやすい環境を整える必要があります。育児休暇や短時間勤務など、柔軟に対応することによって、女性薬剤師の離職を防げる可能性が高まります。

女性が活躍できる職場環境であれば、人手不足に悩まされることもありません。また、最近では女性だけではなく、男性が育児休暇を取得するケースも増えているため、男女問わず全ての人が働きやすいと感じる職場環境を目指す必要があります。

・ファーマシーテクニシャンの導入

欧米諸国ですでに始まっているファーマシーテクニシャンの導入は、人手不足解消に効果的な対策だと言えます。そもそもファーマシーテクニシャンとは、調剤助手のことを指し、薬剤師の指示のもと医療薬品のピッキングや調剤業務の一部、患者との連絡などを行う仕事です。

日本ではまだ導入が進んでおらず、ファーマシーテクニシャンとして働く人は少ないですが、今後同じような役割を担う職種が導入される可能性があります。業務をサポートするファーマシーテクニシャンが在籍していれば、薬剤師の負担が減り、働きやすい環境となるはずです。

また、ファーマシーテクニシャンが増加することによって、薬剤師の需要が低下してしまう恐れはありません。同じ分野であっても、双方の業務内容は異なるため、薬剤師の代わりを務められるわけではないのです。

■地方は薬剤師不足がさらに深刻化している

ここまでご紹介した通り、調剤薬局業界では人手不足が慢性的な問題となっています。特に、地方での薬剤師不足は深刻化しているのが現状です。一般的に、薬剤師の勤務地として人気が高いのは都市部です。

都市部であれば交通の便が良く、働きやすい環境が整っているため、働きたいという人がどうしても集中してしまう傾向にあります。そのため、地方の調剤薬局では働き手を確保するのが難しい状況にあるのです。

しかし、地方ならではのメリットもあるため、より良い条件を求めて転職を検討する人も少なくありません。ここでは、地方へ転職するメリット・デメリットについてご紹介します。

・メリット

地方は勤務地として都市部よりも人気が劣ってしまうことから、基本的に人手不足な状況に置かれています。そのため、地方薬局は好待遇な求人を提示している場合が多いです。給与や福利厚生などがより良い条件で提示されていることがメリットとして挙げられます。

また、地方は高齢者人口が高い傾向にあることから、患者との距離が近く、一人ひとりと向き合って仕事ができるのが特徴的です。密な関係を築きやすいため、患者にしっかりと寄り添って仕事をしたいという人は地方で働くのがおすすめです。

・デメリット

一方、地方ならではのデメリットがあるのも事実です。交通網が未発達である場合が多いため、日常生活に影響が生じてしまう可能性があります。職場までの距離が遠い、交通手段が少ないなど、様々な問題があるため、転職を検討しているのであれば、具体的な所までしっかり調べておくのが望ましいです。

また、地方薬局は大手メーカーと比較すると教育体制が整っていない場合があります。キャリアアップが難しくなってしまうため、薬剤師としての目標がある人にとって、地方での勤務はあまりおすすめできません。

しかし、薬局によってスキルアップのためのサポート体制が整っている場合もあるため、事前に調べておきましょう。

■調剤薬局のM&Aならアテックがおすすめ

大きな課題となっている人手不足を解消するために、近年M&Aを実施する薬局が増えています。薬剤師不足により調剤薬局の倒産件数が過去最多を記録する一方、M&Aは今後も盛んに行われると考えられています。

しかし、実際にM&Aを実施する場合、どのようにして売り手・買い手を見つければ良いかわからないという人は多いはずです。また、M&Aを実施したからと言って必ずしも成功するわけではないため、注意して行わなければいけません。

円滑に進めるためにも、M&Aに精通した専門家に依頼するのがおすすめです。そこでご紹介したいのが、M&Aの仲介会社です。未経験で実施する人も多いため、M&A仲介会社によるサポートは非常に心強いと言えます。

調剤薬局を経営しており、今後M&Aを検討しているのであれば、ぜひアテックにお任せください。アテックは、日本初となる調剤薬局のM&A仲介会社として、これまでに数多くの人々のマッチングを実現してきた実績を持っており、それぞれが理想とする形へと導いています。

また、アテックでは「ファーママーケット」というサービスを展開しており、薬局の譲渡・売却を検討している経営者と、薬局の買収を検討している企業をマッチングさせる専用サイトを運営しています。このサイトを活用することにより、条件の合う売り手・買い手を効率良く見つけられるようになるのです。

アテックでは、これまでに培ってきた知識や経験を最大限に活かし、より良いマッチングが成立するようなサポートを行っています。売り手・買い手が理想とする結果に導くため、アテックではM&Aを実施する人々の要望に応えるため、全力で対応しています。

薬局の売却・譲渡、買取を考えて居るのであれば、ぜひアテックを視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか? 今回は、調剤薬局における薬剤師不足の原因や対策のほかに、M&Aをすすめる理由についてもご紹介しました。薬剤師が不足してしまう主な理由は、医療分業、高齢化、高収入が狙える就職先への流入、働く薬剤師の男女比、薬学教育制度の変更、コロナウイルスによる影響など、様々な要因が関係していることがわかります。

また、地方での人手不足は深刻化しており、場合によっては廃業しなければいけない事態に追い込まれている薬局もあります。今後、売却・譲渡または買収を検討している場合は、アテックを利用してみてはいかがでしょうか?

アテックが運営するファーママーケットを利用すれば、効率的なマッチングが実現します。ぜひ、一度アテックまでご相談ください。
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