調剤薬局M&Aの譲渡価格相場と最新動向【2019年版】

M&Aは一般企業だけではなく、調剤薬局の世界でも増えています。調剤薬局は後継者問題の解消、買収側だと事業の拡大、薬剤師は安定して独立できるといったメリットがあります。売り手・買い手の両者にメリットがあることから、調剤薬局のM&Aは増加傾向にあるのです。

調剤薬局の譲渡価格は売り手と買い手のそれぞれに要望がありますが、どのように算出されるのかご存知でしょうか?譲渡価格にも相場があるので、それを知った上で交渉をしなくてはなりません。今回は調剤薬局M&Aにおける価格面での疑問や2019年最新の動向についてご説明しましょう。

調剤薬局M&Aの譲渡価格相場はどうやって決まる?

調剤薬局の規模はそれぞれ異なるため、正確な相場を出すことは難しいです。そこで、会社の規模に応じて譲渡価格を決めるために、「相場計算式」を用いて算出していきます。

譲渡価格を求める式は「営業利益+純資産」です。薬局市場の場合、3年から5年程で回収できる投資を行う業界であるため、営業利益も3年から5年のもので計算していきます。相場計算式で譲渡価格を求めるには、営業利益と純資産を正確に把握する必要があります。

【営業利益について】

決算書に記載されている営業利益の数値は税金対策をされているものが多いため、適切な数値ではない可能性があります。そのため、純粋に会社が生み出した利益を求めて適切な金額に正す必要があります。具体的には節税目的の経費や社長個人の経費を把握して除外し、社長を含む取締役の役員報酬を最適化することで営業利益を割り出すことが可能です。

・節税目的の経費

これは法人税の減税を目的にしているもので、業務上では必要のない経費を指します。例えば、生命保険の契約や不要な宣伝広告費、無駄な消耗品などが該当します。業務になくても問題ない経費を把握し、経営利益から取り除いていきましょう。

・社長個人の経費

社長自身や家族にかかる費用の中には経費として落とされているものがあります。よく経費として挙げられるのが会食費や接待費、会議費、個人車の車、ガソリン代などが挙げられます。会社や業務に無関係な経費を省いていきましょう。

・役員報酬を適正にする

役員報酬の適正化は非常に難しいものですが、現場に入られる薬剤師の社長であれば、年600〜700万円が妥当です。現場に入らず統轄する場合は500〜700円が目安とされています。

また、役員で名前が入っている人の中には、もし辞めてしまっても会社に影響を与えない人が含まれている場合があります。その場合は重要な役員だけで営業利益を求めても問題ありません。

役員報酬が低くなれば営業利益は上がるので、M&Aの譲渡価格も上がっていきます。逆に役員報酬が高ければ営業利益は下がり、譲渡価格も下がってしまいます。理想の譲渡価格に近付けられるように適切な営業利益に調整していきましょう。

【純資産について】

会社の総資産から負債を除外したお金のことで、こちらも営業利益と同じく適正な金額に正していきましょう。例えば、土地は決算書に購入時の価格が記載されていますが、それを現状の価格に修正してください。純資産は時価に直せば適正化可能です。

【評価に掛け目は4倍で資産】

営業利益が分かったら、実際どのくらいの掛け目になるのか気になるところでしょう。掛け目は倍数によって大きく変わってきます。例えば、営業利益が3000万円なら、3倍なら9000万円、1億5000万円と算出できます。

ただ、双方の理想に合わないとM&Aは成立しないので、5倍以上の掛け目は過剰な期待を持ってしまう可能性があるでしょう。買い手がどうしても欲しいという場合は5倍以上に期待できます。

しかし、従業員の高齢化や患者が減っているなどのリスクや不満から3倍の金額で交渉されることもあるでしょう。実際にM&Aを実行した際、希望の額にならないことも多いのでショックを軽減する意味でも4倍を標準に算出するのが無難と言えます。

実際に譲渡価格を算出したら、本当に妥当な金額か買い手側の立場になって考えてみましょう。もし自分が買い手だった場合、その譲渡価格で買うか、買わないか冷静になって考えてみてください。少し高いなと思った場合は少し下げることで、買い手も納得しやすい相場になります。

逆に低いと思ったら再度調剤薬局を見つめ直してみましょう。相場は未来のリスクに考慮して成り立っているので、試算された金額が低い場合は将来性が低いということになってしまいます。試算が低くなってしまう原因が見つかるかもしれないので、一度見直して再調整してみましょう。

赤字でも調剤薬局M&Aは行える?

赤字経営だと調剤薬局M&Aが難しいと考える方は少なくないでしょう。確かに、黒字経営に比べると容易なことではありませんが、絶対にできないというわけではありません。赤字だけど買取ってくれる会社を探したい場合は、次のポイントを意識してM&Aを実行してみましょう。

【調剤薬局の強みや弱みを知ろう】

どの調剤薬局にもそれぞれ強みと弱みがあります。赤字経営でもM&A後に、強みを活かして利益を挙げられる可能性があれば買取ってくれる会社が見つかる可能性があります。逆に弱みが分かっていれば、その対策を講じることで将来性が生まれるでしょう。

自分でも調剤薬局の企業価値を気付けていないことは多いです。そのため、客観的に強みや弱みを分析してアピールポイントとして整理していきましょう。

【経営改善】

業務内容は買い手側にとって魅力でも、経理が不透明、社内システムに問題あり、労務トラブルがあるなど経営状況に問題があると買い手は不安を覚えます。M&Aが失敗してしまう恐れもあるので、業務改善を行い利益が上げられる体制に整えていきましょう。

不安要素が少しでも減ればスムーズに交渉できるので、赤字経営でもM&A成功の道を開けます。

【タイミングを図ろう】

買い手となる企業や薬剤師探し、自社の価値評価、双方のオーナーのニーズ調整などM&Aはやることが多いので、3〜6ヶ月の時間を必要とします。そのため、経営がピンチになった時点で始めると手遅れとなる可能性があります。

タイミングによっては廃業を選択せざるを得ない状況になる場合もあるので、赤字経営の場合はM&Aを始めるタイミングに気を付けなければなりません。M&Aを検討している際は早めに準備や情報収集を始め、手遅れにならないタイミングを見計らって始めていきましょう。

調剤薬局M&Aの2019年最新動向

現在、調剤薬局は変化の時を迎えています。なぜ変化の時を迎えているのかというと、2018年に診療報酬や調剤制度が改正され、処方箋の受付回数や特定の医療機関からの調剤率によって調剤報酬の引き上げが行われるからです。つまり、病院の前に店舗を持っている門前薬局やグループ会社を作って運営している薬局への影響が大きくなります。

【薬局側は対策を講じなければいけない】

調剤報酬が改定されたことによって、病院の前に店舗を持っている門前薬局やグループ会社を作って運営している薬局の調剤報酬は低くなっています。もしも改定後の診療報酬に関する条件に当てはまる薬局は、収益が落ち込んでしまうことが予想されるので、収益を落ち込ませないための対策を行う必要が出てきます。

対策として考えられるのは、店舗の譲渡です。譲渡の案件が多くなると、市場価格へも影響する可能性が低くありません。

調剤薬局M&Aを検討している人にとっては、より良い物件を手に入れるきっかけになりますが、M&Aコンサルタントなどからサポートをしてもらうことでより確実に店舗を見つけられるでしょう。このようなことを踏まえて考えると2019年は、調剤薬局M&Aも大きな動きを見せるのではないかと考えられます。

また、近年はかかりつけ薬剤師や薬局を推進しています。これは、薬局の周りに住む人の健康を効率よく管理することが目的となっています。

かかりつけ薬剤師や薬局に処方箋を渡すことによって、経過の観察ができるだけではなく、薬が重複することも防ぐ効果が期待できます。さらに夜間や休日、在宅患者の電話対応、緊急時の処方などにも応じてくれるので、より利便性が良くなると考えられます。

【薬局M&Aが盛んになっている理由とは?】

薬局の報酬が改正されたことによる利益の落ち込み対策として薬局M&Aが盛んになっています。買い手はかかりつけ薬剤師を導入したり、かかりつけ薬局へ移行したい、売り手は個人で経営している薬局の後継者問題や従業員の雇用維持をしたいと考えています。つまり、お互いの望みを叶えるための方法の1つが、調剤薬局M&Aだということになるのです。

特に、個人で経営している薬局の後継者問題は大きな問題だと言われています。親族への承継は、およそ4割にとどまっているのが現状です。およそ6割は、第三者への譲渡が行われているということになるでしょう。

このことからも、事業承継に悩む個人の薬局は少なくないということになるのです。もちろん個人の薬局ではなく大手の薬局であっても、利益のために店舗をウリに出す可能性もゼロではありません。企業の収益確保や雇用の維持が目的となり、店舗を売却するというのは珍しいものではないと言えます。

このような背景から、2019年の調剤薬局M&Aは活発な動きを見せるのではないかと予想されます。しかし、調剤薬局M&Aは簡単なことではないので、きちんと専門知識を持つ人のサポートを受けることは重要です。調剤薬局M&Aを検討しているのであれば、慎重かつ確実に準備を進めるようにしましょう。

調剤薬局M&Aを成功させるならアテックにご相談を

もしも、調剤薬局M&Aを検討している方で、どうしたらいいのか分からないと悩んでいる場合は、アテックに相談することをおすすめします。アテックは、日本で初めて調剤薬局M&Aをスタートした会社で、その実績はとても多いです。

経営技術総合支援企業アテックとして事業を展開していて、薬局マネジメントに関するノウハウもしっかりしています。そのため、多くの人が相談に訪れます。

そんなアテックは、薬局オーナーの理想を実現できるようにサポートするだけではなく、何人もの後継者候補が登録されています。さらに、調剤薬局に関する知識やノウハウを熟知しているので、薬局経営者が抱える問題に対して迅速な対応を行い、未来の戦略を共に考えてくれます。

調剤薬局のオーナーになるということは、覚悟も必要です。そのため、薬局オーナーの理想を実現できるようにサポートをしてくれるのは非常に魅力的だと言えるでしょう。

オーナーの手取りをできるだけ多くするための工夫や努力も惜しまないため、薬局のオーナーのなりたいと考える方にとってのメリットも大きくなっています。そして、アテックのサービスを活用して薬局オーナーになった方、薬局がある地域に暮らす人など全てが良かったと思えるような「ハッピー・リタイアの実現も応援しています。譲渡を前提にした薬局に限りますが、薬剤師が応援に入るというサポートも行っているので、より安心感が高いと言えるでしょう。

アテックがこのようなことを実現できるのは、譲渡するオーナーのタイプを把握できる実績や買い手の条件を明確にするスキルを持っているからです。また、売却の金額よりも経営理念にこだわっているのもアテックならではの特徴です。

金額交渉だけしていると他の条件がないがしろになってしまう可能性もあるので、経営理念を重視しています。経営理念を重視することによって、後悔することがなくなると言われているからです。

その他にも、ウィークポイントの改善も重要視しています。借金があるとか立地が悪い、調剤件数が少ない、家賃が高い、営業時間が長い、薬剤師の給料が高いというのは、買い手にとってのデメリットになります。そのため、調剤薬局M&Aを検討しているのであれば、ウィークポイントの改善も提案しています。

アテックは、実績がある調剤薬局M&Aなので、安心して利用できます。もしも調剤薬局M&Aを検討しているのであれば、アテックに相談してみると良いでしょう。

調剤薬局M&Aは、簡単にできることではありません。価格の相場や赤字だった場合の対処法、最新の動向などを把握した上で、どこに相談すべきなのかを考えていくことになります。調剤薬局M&Aのサポートを行っている会社はいくつもありますが、実績がある場所にお願いした方が確実です

そこで今回おすすめしたのがアテックです。アテックは実績もあり、確実な調剤薬局M&Aをサポートしてくれるため、安心してサービスを利用できるでしょう。

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